《本記事のポイント》

  • 「最も好きな国」、台湾で日本がトップ
  • 台湾の複雑な状況
  • 日本は台湾を冷遇?

日本台湾交流協会がこのほど、台湾で実施した世論調査で、「台湾を除いて最も好きな国」で日本と答えた人が過去最高の59%であったことを発表した。

一方、「台湾に最も影響を与える国」については、45%が中国と回答。2位は33%のアメリカで、3位は15%の日本だった。

調査は日本台湾交流協会が委託し、2019年2月に台湾で実施されたもの。約1000人が回答した。

台湾の複雑な状況

調査結果からは、台湾が置かれている複雑な状況が読み取れる。

馬英九前政権は、融和的な対中政策を進め、2014年に中国との間で経済協力枠組み協定(ECFA)を締結。それにより、中国依存度が高まった。

中国の目的は「台湾統一」だ。今年1月、中国は台湾に「一国二制度」の導入を突きつけ、「統一」の意志をあらわにした。だが、共産主義の中国と、自由や民主主義といった価値観を重んじる台湾では、考え方が違う。そのため、台湾では反発の声があがっている。

そうした中、台湾は近年立て続けに他国との国交を失っており、国交を結んでいる国は過去最低の15カ国になってしまった。そこで台湾の蔡英文総統は、自由や民主主義といった価値観を共有する国々との関係を強めようとしている。

その一つには日本も含まれており、蔡氏は日本重視の姿勢を見せている。

例えば今年10月、台湾を離任する日本台湾交流協会台北事務所の沼田幹夫代表(駐台日本大使に相当)へ自ら勲章を授与。11月には、新たに着任した泉裕泰氏と面会し、日台関係のさらなる発展を目指すことで合意した。

自身の総統公式ツイッターも、しばしば日本語で更新しているほどだ。

日本は台湾を冷遇?

しかし日本は、中国に過度に配慮して台湾を"冷遇"している。

10月に行われた天皇陛下の即位をお祝いする「即位礼正殿の儀」では、駐日大使に相当する台湾代表を非公式で招待し、民間人と同様の来賓として接遇した。また東日本大震災をめぐり、台湾から200億円を超える義援金を寄せられたにもかかわらず、翌年の慰霊式典では、献花に際して国名を読み上げる「指名献花」から台湾代表を外した。

しかし、冒頭の調査で、「今後台湾が最も親しくすべき国」として日本と答えた人は37%となり、日本がトップとなった。中国の脅威が高まる中、距離的に近く、親しみ深い日本との関係を強化することは、台湾にとって切実な願いと言えるだろう。

現在、日本と台湾との間には正式な国交がなく、交流も民間レベルに限られている。日本は、「最も好きな国」と言ってくれている台湾との関係を強めるべきだろう。

(飯田知世)

【関連書籍】

『愛は憎しみを超えて』

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大川隆法著 幸福の科学出版

『緊急・守護霊インタビュー 台湾新総統 蔡英文の未来戦略』

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