トランプ米大統領は24日、国連総会で一般討論演説を行いました。

その主要論点は、イランでした。トランプ氏は「脅威をあおる行動を続ける限り、制裁は解除されず、逆に強化される」と、さらなる制裁の可能性を示唆。「全ての国は行動する責務がある。責任ある政府はイランの流血行為を支援すべきではない」と、各国にイラン包囲網の構築を呼びかけました。

一方で、対話の道が残されていることも示しました。

「アメリカは、平和と尊敬を求めるすべての人との友情を受け入れる用意がある。(中略)我々が望んでいるのはパートナーであり、敵ではない。戦争を仕掛けることは誰でもできるが、平和の道を選ぶのは、最も勇敢な者だけだとアメリカは理解している。(中略)アメリカの目標は、終わりのない戦争ではない」

これまでトランプ政権は、イランのロウハニ大統領との対話を模索していました。しかし、サウジアラビアの石油施設に対する攻撃をめぐり、イランへの国際的非難が高まったため、現時点で、対話は困難との見方が強いです。

イランの最高指導者ハメネイ師も17日、「イランは政府のどのレベルにおいても、アメリカとは対話しない」と述べ、トランプ氏とロウハニ氏の首脳会談を認めない考えを示していました。

また、安倍晋三首相は24日、国連で一般討論演説を行い、こう述べました。

「イランの最高指導者ハメネイ師が私に直接言った核に関する3つの否定、すなわち『持たず、作らず、使わない』ことをファトワー(宗教令)にし徹底したという言明を、貴いものと思います。今朝も、ロウハニ大統領と通算9度目の会談をいたしました。大国イランに、その豊かな歴史からする叡智に基づく行動を求めることは、私の変わらぬ役割です」