2018年12月号記事
国造りプロジェクト Vol.01
無条件で日露平和条約を
「日米露」で習近平を止める
今月号より、日本の政治のあるべき姿を考える「国造りプロジェクト」がスタートする。
1回目のテーマは「外交・安全保障」。
今、トランプ米大統領が世界秩序を大転換させている。
米中冷戦が始まる中、日本が取るべき「未来型」外交・安全保障体制とは。
(編集部 山本慧、長華子、山本泉、片岡眞有子)
contents
無条件で日露平和条約を - 「日米露」で習近平を止める - 国造りプロジェクト Vol.01/Part.1
2018年は、「米中冷戦元年」と呼ばれるだろう。
新しい冷戦は、トランプ大統領の国連演説、そしてペンス副大統領の演説で幕を開けた。
トランプ氏は9月、国連で中国を名指しでこう批判した。
「中国がWTO(世界貿易機関)に加盟して以来、アメリカの製造業の仕事が300万人以上失われ、鉄鋼業で4分の1の雇用と6万の工場を喪失した。(中略)だがそうした時代は終わった。こうした不正をもう許さない」
ペンス氏は10月、米ハドソン研究所で強硬な対中政策を宣言(上写真)。中国の悪事をこれでもかと並べ立てた。
「中国共産党はほんの数例を挙げるだけでも、関税、輸入割当、為替操作、強制的な技術移転、知的財産の盗用、およびキャンディーのように与えられる外国投資への産業補助金を含む、自由かつ公平な貿易と相容れない政策を取ってきた」
その上で、「中国の統治者へのメッセージは、『トランプ大統領は引き下がらない』『アメリカ国民は揺らがない』ということだ」と述べ、国民に団結を呼びかけた。
トランプ政権は、中国からの輸入品の約半分(2000億ドル分)の関税を引き上げた。米議会は中国の経済圏構想「一帯一路」に対抗し、発展途上国のインフラ開発を融資する法律を新たに成立。米海軍も南シナ海での軍艦パトロールを強化する。
またアメリカ・メキシコ・カナダは、市場経済ではない国と貿易協定を結べないようにする条項を盛り込んだ自由貿易協定(USMCA)を結んだ。これは事実上の中国排除であり、アメリカは他の貿易協定にも同様の条項を盛り込みつつある。
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