《本記事のポイント》
- 投開票前日の各紙の報道を比較する
- 各党の看板政策を再確認
- 日本のこれからを考えた選択を
とうとう、衆院選の投票日を迎える。どの候補者や政党に投票するかは、決まっただろうか。
「大義なき解散」とも評された今回の衆院選は、台風の影響もあり、投票率が低くなる可能性が高いとされる。前回2014年12月の衆院選は、戦後最低の52.7%だった。しかし今回は、北朝鮮の脅威が増すこの時期に、国の進む方向を托す人や政党を選ぶことになる。
各紙の報道を比較すると……
投票日前日の21日付各紙の報道は、さまざまだった。
産経新聞は1面記事で、希望の党の劣勢などを中心に報じたが、一方で自民党については、「堅調な戦いを続けてきた」としている。
「主張」欄では「国難乗り越える選択を」というタイトルで、核ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し、「安全保障関連法などでミサイル防衛を強化する」与党側と「安全保障関連法や9条の憲法改正などに賛成しない」野党側として比較。「憲法改正が平和を導く」と、憲法改正に向けて働く政治家が求められると指摘した。
読売新聞は、今回の選挙について、自民・公明の「安倍1強政治」が継続するか、希望・維新と、共産・立憲・社民の野党2勢力がそれを打破するかという見方を示した。
「拝啓有権者の皆さんへ 真贋を見極めたい」(特別編集委員・橋本五郎記者)という一面のコラム記事では、「『いいことずくめ』が常になりやすい公約は、『どちらがより悪くないか』ぐらいの醒めた目で判断したい」と指摘。橋本氏は今回の選挙について「憲法改正の是非が正面から取り上げられたという意味で歴史的な選挙となった」とし、有権者らの責任ある選択を求めた。
朝日新聞も、読売新聞と同様、今回の選挙を「安倍1強」の是非を問う機会と位置づける。1面コラム「政治に緊張取り戻す選択を」(政治部長・佐古浩敏記者)では、朝日新聞社の世論調査によると、自民党が最も多くの支持を集め、「安倍首相が続投する可能性が大きい」とした上で、政権への反対を含めた「国民の意見を代表できる適格者を選びたい」と述べた。
一方で選挙戦については「与野党の政策論争は深まっていない」とし、少子高齢化で深刻化する年金制度の問題の見直しや財政再建、東北の復興などの議論が置き去りにされていると指摘した。
各党の看板政策を見直してみる
今回の衆院選では、自民党と公明党・希望の党・立憲民主党の3極の争いと報じられてきた。しかし、各党の看板政策を見ると、以下のように消費税の増税か、凍結かを問うものばかりだ(21日付朝日新聞より)。
- 自民:消費税10%に引き上げ、幼稚園・保育費用無償化。増収分を子育て世代への投資に集中
- 公明:消費税10%に引き上げ、同時に軽減税率を実施
- 希望:消費増税は凍結
- 立憲:直ちに消費増税はできない
だが、今後の日本のあり方を考えると、国民の生命・安全・財産を守る「国防」や、経済の動きを活性化させる「減税」こそ、最も重要な政策だろう。
「国防強化と消費税5%への減税」を看板政策として掲げる幸福実現党は、政党要件を満たしていないとして、大手紙ではほとんど報じられなかった。だが、「諸派」の中でも76人という立憲民主党に匹敵する候補者を擁立し、他の政党が訴えていない政策を訴えていたという意味で、報道すべき存在であったはずだ。
私たち有権者は、今回の選挙で「今後の日本をどうするか」を決めることになる。重要な判断を迫られていることを肝に銘じ、投票に向かいたい。(中)
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