2017年3月号記事

あなたを「時間貧乏」から救う

「凡事徹底」の働き方改革 【前編】

「働き方」を見直す動きが広がっているが、「頑張っているのに、成果が出ない」と悩む管理職は多いはず。その解決策を、「凡事徹底」という切り口で考えてみよう。

(編集部 小林真由美)

「あぁ、今日も終電か……」

40代の男性ビジネスマンXさんはオフィスの時計を見て、ため息を漏らした。

今の会社で働き始めたのは、10年以上前。管理職になって楽ができるのかと思いきや、切れ者上司から矢継ぎ早に出される指示に翻弄されながら、同時に経験の浅い部下を指導する毎日。

目の前の仕事をこなすのに精いっぱいで、常に時間に追われ、心に余裕を持てずにいる。

「私がこけたら、全体がこけてしまう」と責任感を持って、誰よりも長時間働いているつもりだが、上司に褒められるどころか、つまらないミスを連発し、叱られることもしばしば。今晩も、「明日までにプレゼン資料をつくり直すように!」と無茶な要求を突き付けられた。

「俺はあんな風にはなりたくない」という目をして、気まずそうに帰る部下たちの視線が痛い。職場の人間関係もぎくしゃくして、ストレスは溜まる一方だ。

深夜に帰宅すると、妻と5歳の長男はいつも眠りの中。

休日は、溜まった疲れから昼過ぎまで寝ているか、溜まった仕事を自宅で片づけているか。最後に家族で出かけたのはいつだったか―。

休日が明けても、相変わらず出社はギリギリの時間。カフェインの効いたコーヒーで気合いを入れるが、効果が続くのは10分程度。ボーっとした頭のまま、今日も上司から大量の仕事が降ってくる……。

◆ ◆ ◆

「働き方」が問い直されている昨今、Xさんのように「時間貧乏」に悩むビジネスマンは多いだろう。どこから手を付ければ、仕事や生活のサイクル、職場の人間関係を改善できるのか。

次ページのチェックリストを念頭に、2人の専門家に改善策を聞いてみよう。

次ページからのポイント

あなたの働き方チェック

行動面からの凡事徹底

マインド面からの凡事徹底

仕事能力を上げる極意が書かれた一冊