アメリカ大統領選もいよいよ終盤を迎えている。両陣営は、お互いの過去のスキャンダルなどを非難し合い、どちらが大統領にふさわしいかを競い合っている。

大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏のスキャンダルは、女性を侮辱する発言など、プライベートなものが多い。一方、民主党候補のヒラリー・クリントン氏のスキャンダルは、国務長官時代に私用メールアドレスを公務に使うといった、国家機密に関わる問題であり、より深刻だ。

クリントン氏の私用メール問題について、米連邦捜査局(FBI)は17日、情報公開法に基づく請求によって調査報告書を公表。これにより、国務省幹部のパトリック・ケネディ氏が、クリントン氏のメールの国家機密度を引き下げるよう、FBI関係者に圧力をかけていたことが明らかになった。公開された文書では、FBI関係者の名前は削除されているが、ケネディ氏は交換条件として在外公館の職員を増員することを提示してきたという。

トランプ氏の陣営は、この件について、「クリントン氏と当局が共謀して犯罪行為の隠ぺいを図った」と非難している。

知られたくないやり取りがたくさん?

クリントン氏が私用メールを使った理由について、国務省のサーバーを通じた正規の交信では、議会の国政調査権が発動された場合、議会に見られてしまう恐れがあったため、との指摘もある。公に知られると困る、さまざまな関係ややり取りがあったことがうかがえる。

米内部告発サイト「ウィキリークス」では、クリントン氏の過去のメールが続々と暴露されている。今後公表されるメールの内容次第では、痛手になる可能性も否定できない。

「法治国家アメリカ」が危ない

選挙戦の最大のヤマ場である第二回目のテレビ討論会で、トランプ氏は「私が大統領になったら、特別警察官を任命し、クリントン氏は刑務所行きになる」と発言し、会場を沸かせた。もちろん、大統領が強権を発動して特定の人物を刑務所行きにさせることはできない。

しかし、政治的なコネや特権を盾にした人物がFBIに圧力をかけたとなれば、有権者の信頼を裏切る行為だ。そうした人物が大統領になれば、「法治国家アメリカ」の危機ともいえる事態になるだろう。

11月8日に控えた本選前の最終討論会である、第3回目のテレビ討論会は日本時間10月20日午前10時から始まる。最後まで目が離せない。

(小林真由美)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『アメリカ合衆国建国の父 ジョージ・ワシントンの霊言』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1751

幸福の科学出版 『守護霊インタビュー ドナルド・トランプ アメリカ復活への戦略』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1613

【関連記事】

2016年10月10日付本欄 【米大統領選】第2回TV討論 トランプvs.クリントン・司会者連合の構図 だが変化も

http://the-liberty.com/article.php?item_id=12041

2016年8月号 「トランプ大統領」は怖くない 日本にとって大チャンス! - 2016.11.8 アメリカ大統領選

http://the-liberty.com/article.php?item_id=11520

2016年9月28日付本欄 【米大統領選】第1回目テレビ討論 クリントン氏「優勢」の報道、しかし

http://the-liberty.com/article.php?item_id=12002