日本の防空識別圏

北朝鮮が24日早朝に発射した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)が、初めて日本の防空識別圏に侵入し、落下した。

防空識別圏とは、国防のために政府が規定する空域のこと。領空までの距離も非常に近いため、常時監視下に置かれている。

予想を超える軍事技術の向上

今回のミサイル発射は、北朝鮮の軍事技術が、国際社会の予測を超える速度で向上していることを表している。

北朝鮮によるSLBMの発射は、今年に入って三度目だ。過去二回の発射実験は、いずれも空中で爆発し、失敗。韓国軍は、実践配備には数年かかると見ていた。

日本政府の対応と今後の方針

今回のミサイル発射に対し、安倍晋三首相は、「断固たる抗議を行った」「毅然と対応していく」と述べるのみ。いつも通りの対応だ。

しかし、北朝鮮の軍事威嚇の度に政府が行なってきた抗議をよそに、北朝鮮の軍事行動は止むどころか、エスカレートしている。単なる抗議はほとんど抑止力とならない。

「核廃絶の流れ」は、本当に平和につながるのか?

実効的な抑止力強化に動かなければならない今、こともあろうに日米は核廃絶の流れをつくろうとしている。

オバマ大統領は7月、「核の先制攻撃不使用」宣言を検討していることを発表した。安倍首相は、今月9日に執り行われた長崎原爆犠牲者慰霊平和記念式典で、「唯一の戦争被爆国として、非核三原則を堅持と、核兵器不拡散条約(NPT)体制の維持、強化の重要性を訴え、『核兵器のない世界』に向け、努力をしていく」と念押しした。

しかし、「核兵器廃絶」の動きは、北朝鮮が軍事を行使しやすくさせる。平和の実現に逆効果だ。

核装備による国防の強化が必要

日本の領空近くまで飛行可能なミサイルの実験を北朝鮮が完成させつつある今、もはや一刻の猶予もない。世界に真なる平和をもたらすためには、北朝鮮に対する抑止力としての核装備が必要だ。(な)

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