沖縄県庁で、翁長知事側に要請文を手渡す、幸福実現党の金城氏(右)。

沖縄県石垣市に属する尖閣諸島の周辺海域で、連日、中国の挑発行動が続いている。

特に、今月5日以降、多数の中国海警局所属の公船が、同諸島周辺の領海に10回以上も侵入。公船は徐々に増え、一時は過去最多の15隻が接続水域を同時航行した。周辺には200~300隻の中国漁船も航行しており、明らかな挑発行為である。

アメリカに抗議して、中国に抗議しない翁長知事

本来であれば、沖縄県を預かる翁長雄志知事は、中国に対して何らかの抗議を行うべきだ。しかし、なぜか沈黙を守っている。

6月に中国の軍艦が初めて尖閣諸島周辺の接続水域に侵入した際にも、翁長氏は、日本政府に対する要請も行っていない。石垣市の中山義隆市長らに対応を求められ、7月になってようやく日本政府に安全確保の要請を行った程度だ。

不思議なのは、翁長氏の、アメリカと中国に対する態度の違いである。

沖縄を守る米軍普天間基地の辺野古移設問題については、事あるごとに批判を繰り返し、訪米してアメリカ政府に直接抗議をするという積極的な姿勢を見せる。しかし、侵略の意図を持って領海への侵入を繰り返す中国政府に対しては、ほとんど抗議をしていない。

「ダブルスタンダードでないと説明すべき」と幸福実現党が返答を要請

立党以来、一貫して中国の脅威や尖閣を守る必要性を訴えてきた幸福実現党の沖縄県本部は、こうした状況を看過できないとして、山内晃代表と金城竜郎副代表が9日、沖縄県庁を訪れ、翁長氏宛てに、抗議要請文を提出した。

要請文では、「県民の命を預かる首長としての判断の遅さ、主体性のなさに失望し、危機感を募らせている県民は多いはず」「訪米してまで米国政府に抗議をしておられますが、中国政府に対して直接抗議しないということはダブルスタンダード」などと指摘。以下の、2つの要請を行い、8月15日までの返答を求めた。

  • 1.八重山漁業者の操業の安全と生活を守り、沖縄県民の生命・安全・財産を守るために、我が国政府に対し、中国政府への抗議を強く要請すること。

  • 2.国防・外交という我が国政府の権限を超越して訪米までして基地問題について訴えをしているが、中国による領海侵入事案については政府任せであることが決してダブルスタンダードではないことを県民に説明すること。

確かに、客観的に見れば、翁長氏の対応は、日本からアメリカ軍を追い出して、中国軍を招き入れる動きにも映る。

もしそうした意図がないのであれば、翁長氏は自らの意見を堂々と述べ、中国に対して毅然と抗議すべきだろう。(小林真由美)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『沖縄の論理は正しいのか?―翁長知事へのスピリチュアル・インタビュー―』 大川隆法著

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