政府の2016年度当初予算が29日、参院本会議で成立した。一般会計の総額は96兆7218億円で、4年連続で過去最高となった。

そのうち約3分の1となる31兆9738億円を占めたのが、社会保障費だ。安倍晋三首相は記者会見で、「一億総活躍社会」の実現に向け、子育てや介護の支援、労働制度の見直しに力を入れると強調した。

一億総活躍社会の関連予算としては、約2.4兆円を計上。子育て環境の整備などに1.5兆円を振り分けるという。

子育て支援として、保育所の増設や保育所改修の補助、保育士の給与引き上げ、低収入の家庭で第2子以降の保育料を無償化することなどが検討されている。

その他の経済対策としては、個人消費の喚起のために、商品券や子育てサービスに使うバウチャーを配布することや、公共事業として道路や空港などの改修工事が検討されている。

こうした内容を受け、野党などからは「選挙対策のバラマキだ」との批判も相次いでいる。

許認可行政の行く末は……

社会保障の中にはたしかに必要なものも多い。しかし、3分の1となるとバランスを欠いていると言わざるを得ない。補助金や商品券の配布など、バラマキの要素の強い施策も目立つ。これではいくら税金があっても足りなくなってしまう。政府の「人気取り」だと言われても仕方ない。

さらに、日本には、政府の側にも民間の側にも、「困ったことは、お上がお金を出したり決まりをつくって解決すべき」という意識がある。これもバラマキに拍車をかけているのではないか。

しかし、こうして政府があらゆる方面に補助金を出し続けた結果、政府の借金は膨らみ、その額は1千兆円を超えた。それだけではなく、規制や資格を設けて補助金を出すなどの許認可行政は、「全ての事業体を政府の支配下に置く」という考えにつながる。これは、「国家社会主義」への道だ。

許認可行政をやめ、自由競争をつくり出す

大川隆法・幸福の科学総裁は27日に富山で行った講演会「夢を実現する心」の中で、安倍政権の経済政策について次のように指摘した。

一生懸命、人気取りに励んでいるように見えて仕方ありません。許認可行政と、補助金および政党への支持団体づくりを組織的にやっているので、この辺を解体していかないと、公正な政治はできないのではないでしょうか。この辺を考え直さないと、駄目でしょう

政府は、できる限り規制を少なくし、民間企業に任せることが重要だ。自由にサービスが行える場をつくることができれば、民間企業は自由競争の中で、新たなサービスを生み出していく。

「自助努力」で道を切り拓く二宮尊徳精神が、日本経済復活のカギかもしれない。

(山本泉)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『現代の正義論』 大川隆法著

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