震災から5年目を迎えた11日、福島県を中心とする東北地方の約100人の住民らによる「『福島安全宣言』を求める国民大会」が開催された(主催:「福島安全宣言」実行委員会/原発推進を求める国民会議/JAPAN+)。

参加者らは、都内の日比谷公園から新橋までデモ行進を行い、「無駄な除染はやめて故郷に帰ろう」「ふるさとに帰る自由を取り戻そう」「政府は福島の安全を宣言せよ」などと、シュプレヒコールを上げた。沿道では、スーツ姿のビジネスマンがデモ隊に携帯を向け、写真を撮る光景が散見された。

国会議事堂前で行われた国民集会では、幸福実現党の釈量子党首が挨拶。「私たちのもとにも、福島に帰りたいという県民の方の声が届いている。それを阻んでいるのは、1ミリシーベルト以下まで除染をするという基準。しかし、その基準に疫学的根拠はないことが分かっている。帰還を進めるべき」と訴えた。

代表者らは内閣府を訪問。政府に対し、「福島が安全であると宣言すること」「全国の原発の再稼働を求めること」などを求める申し入れを行った。

代表者の一人である福島県の石添淳一氏は、「20キロ圏内は水道やガスなどをはじめ、あらゆるインフラがボロボロになっている。各地で除染が行われているが、放射線は健康への影響のないレベルで必要ない。帰還が早く進むよう、インフラ整備を進めていただきたい」とした。さらに、「これまで福島が、電力供給を行ってきたことに誇りを持っている。福島第二原発の再稼働を求めたい」と、原発再稼働を求めた。

福島の放射線量が、世界の他の地域と比較しても低いレベルであると説明する矢内氏。「上海の放射線量は福島の約6倍だ」

福島県出身の矢内筆勝氏は、福島の放射線量が、日本や世界の他の地域に比べて低いことを紹介。「以前、福島第一原発の入り口の放射線量を測りに行ったが、 放射能泉 と変わらない線量だった。健康被害の心配はない」と、政府に安全宣言を出すよう訴えた。

福島県から集会に参加した60代の女性は、「福島は安全ですが、県外の人には伝わっていないと感じたので参加しました。周りで放射線に不安を抱いている方はほとんどいません」と話した。

また、宮城県から参加した50代の女性は、「震災に乗じて、涙を誘うような場面ばかりをマスコミが報じているが、立ち上がっている方もいる。補助金を求めるばかりではなく、自分たちの地域を自分たちで復興させるために立ち上がる勇気を持ちたい」とした。

いまだ、多くの人々が故郷の住み慣れた家を離れることを余儀なくされ、不自由な避難生活を送っている。避難区域とされる地域についても、放射線量が健康に影響のないレベルであるならば、政府が住民の帰還の自由を認めることは急務だ。福島県民を置き去りにした議論は避けたいものである。

(河本晴恵)

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