南アフリカのMail&Guardian紙がこのほど、国連アフリカ経済委員会のカルロス・ロペス会長が視るアフリカの未来に関するインタビューを紹介した。

南アフリカやナイジェリアなど、豊富な天然資源に恵まれ、経済的な発展を見せている国々がある反面、各地で紛争や内戦が続くアフリカ。今世紀後半、どのような姿になっているのだろうか。

巨大な可能性を秘めたアフリカ

インタビューで、ロペス氏は、「アフリカの強みは、その若さです」と指摘する。

次の35年で、世界の人口増加の半分以上はアフリカで起きる。労働人口も12億5000万人に達するとされている。

同氏は、こう述べている。「アフリカには、再生可能エネルギー、若者中心の人口構造、急速なインフラ整備、そして豊富な天然資源があり、世界の工場となる可能性を持っています。(中略)まず、低付加価値商品の生産から始め、生産技術を取り入れ、高付加価値産業へと駆け上がっていくことができるでしょう」

さらに、2050年には、いまアフリカで最大規模の経済力を誇っている南アフリカやナイジェリアではなく、エチオピアがアフリカ最大の経済大国になっていると主張する。

また、コンゴ民主共和国には、24兆ドル(約2900兆円)相当の資源が眠っているという。これは、アメリカとヨーロッパの経済を足したものよりも大きな金額だ。

紛争を終らせ、繁栄の思想を

アフリカが抱える可能性を現実のものとし、繁栄を築くには、アフリカ各地で起きている民族間・部族間の紛争を終らせ、未来への投資を行わなければならない。

近年、中国が資源欲しさからアフリカに進出しているが、地元の人間を雇用せず、中国から労働者を連れてくるばかりで、技術やノウハウも提供していない。地元の雇用創造や発展に貢献しない「投資」をするため、「新植民地主義」と呼ばれるほど評判が悪い。欧米が過去数百年の間アフリカで行ってきた植民地政策に似たことをやっているのだ。

その点、過去、統治した地域で搾取を行わず、逆に発展させた日本は、欧米や中国などよりアフリカに受け入れられやすいだろう。民族の違いを超える調和の心を根付かせることができれば、アフリカの紛争を終らせるための大きな一歩となるだろう。

また、日本が地元の労働者を教育し、技術を提供すれば、アフリカの国々が自分たちの努力で発展していくための力を養うことができる。

中国の新植民地主義を打破し、今世紀中にアフリカの繁栄を実現するためにも、日本が果たせる役割は非常に大きいのではないだろうか。(中)

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