砂漠産の魚を食べられる未来は近いかもしれない――。

今春に行われた私立大学の一般入試で、近畿大学が2年連続で志願者数トップになったことが、教育情報会社「大学通信」の調査で分かった(3月13日現在判明分)。この背景には、紙の願書からインターネットへ出願方式を全面移行したことに加えて、マスコミにも注目された「近大マグロ」効果によって大学のブランド力が向上したことがあると言われている。

近大マグロは、近畿大学水産研究所が2002年6月に世界初のマグロの完全養殖に成功したことにより誕生した。全国の百貨店や飲食店などで販売されており、今後、海外への輸出もにらんでいる。

アフリカの標高2200mの高地でマスの養殖

島国の日本では、養殖は馴染みが深いものだが、海のない内陸国でも行われていると聞くと驚く人も多いかもしれない。

アフリカ南部の高地に位置する内陸国のレソトでは、高山気候により1年を通じて水温を最適に保つことができることから、マスの養殖が行われている。生産されたマスの大部分は、日本を初めとしたアジアに輸出されているという。

レソトでマスの養殖を行う「ハイランズ・トラウト」プロジェクトは2009年、アフリカでボランティア事業などを展開するアドバンス・アフリカ・マネジメント・サービスによって立ち上げられた。ハイランズ・トラウト責任者のグラント・メリック氏が「100人強(の地元民)を継続的に雇用している」「ハイランズ・トラウトで働き始めるまで一度も正式に働いたことがなかった従業員も多い」(1月3日付CNN)と語っているように、国民の4人に1人が失業で苦しむ中で同国に大きく貢献している。

栃木ではプールに温泉水を入れてフグを養殖

日本国内でも、養殖を通じて、地域活性化につながった興味深い事例がある。

内陸県の栃木県那珂川町に本社を構える夢創造の野口勝明社長は、町おこしをするために、地元の地域資源である温泉水を利用し、民間のプールの跡地を養殖場として有効活用。県内外の飲食店や小売店など130店舗に養殖トラフグを卸し、地元の産業を支えるほか、産学連携にも積極的に取り組むなど、養殖技術の向上を目指している。

岡山理科大学の好適環境水で砂漠産の魚も夢じゃない?

さらに、本欄でも紹介してきた岡山理科大学で研究されている好適環境水を使えば、魚の生育に必要なミネラルを淡水に加え、マスのような淡水魚のみならず、海水魚も養殖可能だ。水は再利用されるため、海から離れている山間部や砂漠地帯でも養殖できる。国を支える未来の基幹産業にもなり得る技術だ。

今世紀中に世界の人口が100億人に到達すると予想されており、食糧危機が現実的な問題として議論されている。そうした中、日本発の養殖技術が果たす役割も大きいのではないだろうか。(冨)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『「未来産業学」とは何か』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1049

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2014年5月16日付本欄 陸上で養殖した「理大マグロ」が初競りに 発明で世界の飢餓を救え

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2013年11月10日付本欄 常識にとらわれない発想で、100億人時代の食糧不足を解決しよう

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2011年1月号記事 2031年日本の未来構想(4)100億人を食べさせる!

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2009年3月号記事 世界を救う日本の知力

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