スーダン南部の独立を問う住民投票は15日に終了し、各地の投票所で開票作業に入った。投票率が6割を超えたため投票は成立し、暫定結果は来月2日、最終結果は同14日までに公表される見通し。一部の投票所では既に独立支持が圧倒的多数との結果が出ており、7月には新国家が誕生する可能性が高い。実際に独立に向けた過程では、南部の石油資源を巡り、中央政府である北部バシル政権と介入を続ける米中の動向が注目される。

米国から「テロ支援国家」に指定され経済制裁を受けてきたバシル大統領は当初、独立を妨害する可能性を指摘されていた。しかし膨大な債務に苦しむ中、米国の支援を求めてか投票前には「兄弟たちの決定を否定しない」「新国家樹立に向けて協力する」と述べており、本当に独立を承認するかどうかが一つの注目点となる。バシル政権との外交を断ってきた米国は、南部独立に全面的支援を表明すると共に、投票成功を条件に今後は南部のみならずスーダン全体を支援する意向を示しており、同国全体への影響力を強めている。

一方、多くの企業を進出させて油田開発を進め、バシル政権と関係を深めてきた中国は、長らく南部独立に批判的で、中国共産党機関紙である環境時報も11日、南部独立には米国の内政干渉があると暗に批判する記事を掲載し、独立を歓迎しない本音をのぞかせた。

しかし遂に流れは止められないと見たようで、外務省関係者が16日、投票が順調に行われたことを歓迎し、「スーダンの長期的な平和と安定のために積極的な役割を果たしたい」と表明するなど、独立後の南部との関係深化による利権確保に狙いを転換したと見られる。

スーダンにとって輸出の約8割、輸入の約2割を占める最大の貿易相手国であり、また「国連安保理における非欧米諸国の代表」とも認識されてきた中国。北部に代わって石油開発による発展が見込まれるスーダン南部の新国家は、この大国の思惑に踊らされることなく、真なる独立を勝ち得ることができるだろうか。(由)

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