安倍首相の「新・第三の矢」 (左画像)のモデルは 幸福実現党の政策 (右同)!?(両党のHPより)。

安倍晋三首相は7日、内閣改造に踏み切った。この改造で注目すべきは、下村博文氏の後任となる馳浩(はせ・ひろし)・文部科学相と、新設ポストである加藤勝信(かとう・かつのぶ)・1億総活躍担当相だ。

多くのメディアは、「下村氏の交代劇は、新国立競技場の建設計画や、五輪エンブレム問題などに端を発する」と報じている。確かに下村氏が、責任をとらずに逃げおおせようとした姿勢には批判の声が上がったが、そうした問題行動は、今年4月の開学を目指していた幸福の科学大学の不認可問題から浮き彫りになっていた。

下村氏の「憲法違反」判断

昨年、下村氏は、「幸福の科学大学の教育課程が、大川隆法・幸福の科学総裁の行う『霊言』に基づいている」という理由から、同大学の設置を認めなかった。だが、同大学関係者が文部科学省に提出した申請書類には、「霊言」に基づいて教育・研究を行うという趣旨の文言は一切ない。

つまり、文科省側は、一方的な解釈によって同大学を不認可にしたのだ。これは、憲法が保障する「学問の自由」を侵害している。憲法違反を犯した下村氏の交代は、遅きに失したものの、当然の判断である。

また安倍政権が幸福実現党の政策をパクった?

一方、今回新設された1億総活躍担当相は、安倍首相が最近発表した「新3本の矢」を実現させるために設置された。この政策は、「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」の3つからなる。

その一つである「安心につながる社会保障」について、安倍首相は、「意欲あふれる高齢者の皆さんに、社会の担い手として、もっと活躍して頂く。『生涯現役社会』の構築を目指します」(9月24日の記者会見)と説明している。

しかし、これは幸福実現党の政策のパクリであることは明白だ。同党ホームページには、「生涯現役社会」と大きく掲げられ、「高齢者の雇用や活躍の場を拡大し、もっと長寿を楽しめる生涯現役社会をつくります」と明記されており、2013年の参議院選挙では、この政策で戦っている。

「生涯現役社会」というキーワードをそのまま使う"豪快さ"には驚くばかりであるが、このほかにも同政権は、幸福実現党が掲げる金融緩和などによる「株価2万円台の実現」も模倣した結果、株価を2万円台に回復させている。

マスコミは、五輪エンブレム問題よりも重要な国家政策を、自民党が公然とパクリ続けていることを報じるべきだ。(山本慧)

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