政府は28日、総務省や経済産業省、文部科学省などの幹部人事を決定した。その中で、下村博文・文部科学相が文部科学省のスポーツ・青少年局長・久保公人氏の8月4日付での辞職を含む人事を発表。これについて、「トカゲのしっぽ切りでは」との批判の声が上がっている。

どう見ても不自然な辞職

下村氏は久保氏の辞職を「後進に道を譲る意味の勇退」としている。しかしこれは、当初の2倍近く費用が膨れあがり、建設計画が白紙撤回された新国立競技場の問題に関する、「事実上の更迭」という見方が強い。久保氏は2012年から現職に就き、新競技場の建設主体である日本スポーツ振興センターとの調整などに当たってきた。定年退職まで1年以上を残しての「自己都合」退職は、どう見ても不自然だ。

新国立競技場の費用の問題を最初に指摘した、東京都の舛添要一知事は7月23日、「最大責任者は文科省であり、(経過を検証した上で)担当役人の処分は免れない。組織の長にその処分ができないのなら、自らが辞任するしかない」とツイート。こうした声をはじめ、野党を中心に、下村氏の引責辞任を求める声が高まってきた矢先の人事だった。

民主党の細野豪志政調会長は「局長辞任で責任を取らせたとすれば、とかげのしっぽ切りだ」とする。ただ、下村氏にそういった面があるのは、昨年の時点で明らかにされていたことだった。

下村氏守護霊は「責任はとらない」と決めている?

幸福の科学大学について設置認可申請中の2014年5月、大川隆法・幸福の科学総裁が下村氏の守護霊霊言を収録したところ、下村氏守護霊は大学設置審議会について次のように語った(『文部科学大臣・下村博文守護霊インタビュー』所収)。

「『審議会で慎重に専門家が議論した結果、こうなりました』ということで、それで政治家が責任を問われない。マスコミから(責任を)問われないためにあれ(審議会を)つくってる」

下村氏の守護霊は、責任を取らせるために下部の組織がある、という見方を披露した。

さらに同年11月、幸福の科学大学設置不認可の判断が出た直後の守護霊霊言では、文科相としての責任の所在について、次のように語った(『永田町・平成ポンポコ合戦』所収)。

「日本はボトムアップだからね。下のほうで決めてきて、最後に上のほうで、めくら判を押すのが日本のシステムだからね。私が判を押すまでもなく、下で決まっていたということ」

やはり、その責任は自らにはないとする立場を強調した。

守護霊とは、心理学的に言えば潜在意識のことであり、本音の部分だ。どうやら下村氏は心の底では、「責任をとらない」と固く"決意"しているらしい。今回の久保氏の人事は、それが表面化したということだろう。(居)

【関連書籍】

幸福の科学出版『文部科学大臣・下村博文守護霊インタビュー』大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1177

幸福の科学出版『永田町・平成ポンポコ合戦』大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1352

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