UFO後進国

エリア51付近にある私有地を、米空軍が520万ドル(約6億2000万円)で買い取ろうとしていることを、米各紙が報じている。

立ち退きは空軍の爆撃演習のため?

エリア51から5キロほどの距離にある1.6キロ四方の土地は、1880年代からシーハン家のものであり、一家はいまもそこに住んでいる。

米空軍がこの土地を買いたがっている理由は、土地の周りが全て空軍の爆撃演習場となっているからだ。一家が土地から踏み出すたびに、演習を中止して彼らをエスコートしなければならず、「はっきり言って税金の無駄なのです」と主張。

もっとも、シーハン家によれば、もともとあった一家の土地の周りに米空軍が演習場をつくったため、文句を言われる筋合いはないという。

また、土地には古くから一家が運営してきた鉱石採掘用の坑道があるが、1954年に空軍の「間違い」によって爆撃されたという。そのような「歴史」もあってか、シーハン家は米空軍に対する態度を硬直させている。

米空軍は520万ドルのオファーを「最後通告」として提示したが、シーハン家は米空軍の通告を拒否し、裁判所で争う姿勢を取っている。立ち退き期日の9月10日はすでに過ぎ去った。

エリア51の宇宙人情報を守る?

米空軍は、「国の安全保障に関わるものだ」とし、土地収用法を用いて強制的に土地を没収する構えを見せている。合衆国憲法によると、公益性がある場合、国が個人の土地を強制的に買い取ることが許されている。しかし、その場合は520万ドルより低い買い取り額になると考えられている。

もっとも、「演習の邪魔になる」ことは空軍の言い訳で、「本当はエリア51に近すぎるから立ち退かせようとしているのではないか」と考える人もいる。

2013年に、CIAはエリア51の存在を認めたが、米ソ冷戦時の研究施設に過ぎないと主張。また、今年の6月には、NASAのチャールズ・ボルデン局長が、「宇宙人は多分存在し、エリア51も存在する。しかし、エリア51に宇宙人がいるという事実はない」と発言している。

しかし、エリア51を巡る噂や憶測は絶えない。

大川隆法・幸福の科学総裁は、『ネバダ州米軍基地「エリア51」の遠隔透視』で、エリア51に複数のタイプの宇宙人がいることを確認している。

米軍は、この事実を隠すために、一般人をできるだけ遠のけようとしているのかもしれない。もっとも、シーハン家は、「基地の中のことを知りたければ、グーグルアースやインターネットに出ている写真を見たほうが、より多くの情報を得られる」とし、立ち退き要求に正当性がないことを強調している。

日本でも、「空港を建設するために一般市民の土地を没収するか否か」という問題が生じてきたが、アメリカでも同じような問題がエリア51を巡って生じている。

「宇宙人がいるかもしれない基地の秘密を守る」という一見浮世離れした事案と、「政府が一般の所有地を没収する権利があるかどうか」という、非常に現実的な問題が交差した興味深い事例だ。(中)

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