2014年2月号記事

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釈量子の志士奮迅

世の中は変えられる!

釈量子

(しゃく・りょうこ)幸福実現党党首。1969年東京都生まれ。國学院大学文学部史学科卒、大手企業勤務を経て、(宗)幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。

釈量子のブログはこちらでご覧になれます。

http://shaku-ryoko.net/

スペシャル対談

世界ウイグル会議 議長 ラビア・カーディル

中国の弾圧を許さない!
「神とともにいたから強くあれた」

中国共産党と闘い続ける「ウイグルの母」

ラビア・カーディル氏は1948年、東トルキスタン(現・新疆ウイグル自治区)に生まれる。小売業や不動産業で成功を収め、中国の富豪ベスト10入りも果たし、中国人民政治協商会議委員なども務めた。しかし、1996年の同会議で、江沢民・国家主席(当時)らを前に、ウイグル人の人権問題に関する反政府演説を行ったため、政府に疎まれ、役職を解かれる。1999年に国家機密漏洩罪で逮捕され、政治犯として6年間投獄される。

中国政府は、国際社会の非難を恐れ、著名なラビア氏に肉体的な苦痛を加えることは控えた。だが若者を拷問する様子を見せたり、真っ暗な牢に入れるなどして、精神的な拷問を加えた。2005年に釈放され、米国に亡命する。現在はワシントンDCを拠点に、世界ウイグル会議議長などを務め、東トルキスタンの自由と独立を求める民衆運動の指導者として様々な活動をしている。

アメリカのワシントンDCにて、ウイグル(東トルキスタン)の人権活動家で「ウイグルの母」と呼ばれる、ラビア・カーディルさんと12月3日に、対談させていただきました。天安門前の車両炎上事件の背景や中国に弾圧されているウイグルの現状、宗教や信仰、そして、日本が果たすべき役割についてうかがいました。

◇     ◇

釈量子党首(以下、釈) : 10月下旬、天安門前で車両の炎上事件があり、にわかにウイグルが注目されています。この事件をどう捉えていますか。

ラビア・カーディル氏(以下、ラビア) : 車に乗っていたとされるウイグル人男性は、中国共産党政府の最も象徴的な場所で、70歳の母親、妊娠4カ月の妻を連れて焼身自殺しました。車は猛スピードでしたが、なるべく人を巻き込まないようにクラクションを鳴らし続けた。中国共産党によるウイグル人の迫害の過酷さを全世界に訴えるのが目的だったと思います。

中国政府は2013年4月以降、ウイグルで約30回にわたり、デモ隊への発砲や虐殺を行っています。他にも、ウイグル人の若者がイスラムのモスクでお祈りをしているときに、中国の警察が押し入り、発砲して人々を殺すという事件も起きています。

中国人は愛や慈悲、許しの心を持てないように洗脳されている

十数人の中国人に集団暴行されて、泣き叫ぶウイグル人の少年(中央)。インターネット上で映像が公開され、世界中で問題視された。(画像はYouTubeより)

: 中国政府は、ウイグル人そのものを滅ぼそうとしています。 唯物論・無神論で神を信じない国だから、という点が大きいと思いますが、なぜそこまでひどいことができるのでしょうか。

ラビア: そうですね。 彼らは宗教を信じていません。(唯物論・無神論の)共産主義、マルクス・レーニン主義、毛沢東思想を信じている。 そして、それに則した政治制度を持っている点も挙げられます。

: インターネットで、6、7歳ぐらいのウイグル人の子供が、漢民族の大人に囲まれ、暴行される映像を見ました。人間的な感情を失っているとしか思えません。

ラビア: 20人ぐらいの中国人が路上で子供を囲み、指を踏んだり、顔を蹴ったりしている映像ですね。ああいう残虐なことは、日常茶飯事です。普通の心があれば、止める人間が出てくるはずですが、誰一人、出てきませんでした(右写真)。

中国人は日頃から、愛や慈悲、許しの心を持てないように洗脳されています。 中国政府は、ニュースで「ウイグル人はテロリストだ」という憎しみを植えつけたり、反日的な映画をつくって日本人を悪者にしている。アメリカ人も悪者に見せるなど、あらゆる方法で敵をつくってナショナリズムを煽り、中国人を団結させようとしているのです。

: 中国はGDP世界第二位ですが、このまま憎しみによって国家が成り立つとは思えません。 その意味で、ラビアさんが、女性として、母として、信仰者として考える、中国の向かうべき方向についてお聞かせください。

ラビア: 中国人の中にも、中国の危機的な状況に目覚め始めている人はいます。 国外に亡命した一部の知識人は、多くの論文や書籍を発表して、中国国内に「目覚めよ」というメッセージを送っています。いずれそういう人たちが、共産党と戦う時代が始まると思います。

獄中で神に祈りを捧げていた

日本外国特派員協会で、ウイグルの惨状を訴えるラビアさん。写真:Natsuki Sakai/アフロ

: 自伝の中で、投獄されていた一番つらい時期に、「神とともにいたから強くあれた」と書かれています。ラビアさんにとっての信仰について聞かせてください。

ラビア: 私はアッラー(注)が人間を創ったと信じていますし、必ず私たちを救ってくれると確信しています。 当時、中国当局の誰もが、「あいつは刑務所の中で死ぬ」と考えていました。でも私は生きていた。刑務所の中で、「アッラーよ、ここから出してください」「民族のために、何かできる力を私に与えてください」と祈っていたのです。その時に願ったことが、いま少しずつ実現していることに驚いています。

: 私も毎日、神仏に「私を日本のために役立ててください」と祈っています。いま中国・北朝鮮という国が、地獄のような状況になっています。しかし、 神を信じる人たちが一つになり、両国に住んでいる人々が自由になれるよう力を尽くす時代が近づいていると感じます。

ラビア: どんな人も神を信じる権利、自由を持っています。 信仰を持つ人たち、神を信じる人たちは、多くの人々を弾圧している政権・政党ときちんと戦わなければいけません。 彼らの考え方を変えなければいけないのです。

(注)イスラム教における唯一神。天地創造を成し、ムハンマドに啓示を与えた。

日本はアジアで「自由の力」を発揮すべき

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: ラビアさんはアメリカに来られ、民主主義というものを見て、いま中国に民主化を求めています。そうした中で、日本に何を期待されますか。

ラビア: 日本は、アジアで最初にできた自由と民主主義の国です。だから、アメリカが世界で力を発揮しているように、日本はアジアで力を発揮してほしい。この力とは、「自由の力」「民衆の力」です。

日本は、アジアで抑圧・虐殺されている民族を救い、他国に侵略された国を自由にする。こうしたことに、もっと力を入れるべきです。 それが日本の果たすべき役割、責任です。中国の覇権拡大など許してはいけません。世界の多くの国々が、日本がその役割を果たしてくれるときを待っているのです。

: その通りですね。日本がとても重要な立場にあるということを改めて理解しました。 これから、本当に日本の政治の力が問われる時代になると思います。そのためには、日本はもっと変わらなければいけません。

私もラビアさんのように、国の母、世界の母の1人になれるよう、がんばりたいと思います。

ラビア: まず自分を信じ、人々を愛することです。そして祖国を愛し、すべてを捧げることです。19年前、私はヒラリー・クリントンの若さ、パワフルさを見て、「この女性はきっと世界を変えてくれる」と感じました。あなたも、この日本や世界を変える女性になるかもしれない。

: ラビアさんは民族間の憎しみの連鎖をどうやって止めることができるとお考えですか。

ラビア: 共産党政権がある限り、融和は不可能です。中国政府の体制自体が変わらなければいけません。

: よく分かります。最後に、なぜラビアさんはここまで強くあることができたのでしょうか。

ラビア: 強くあるための力は、あなたが人々を愛するとき、祖国を愛するときにこそ出てきます。そしてあなた自身が、「自分にはその力がある」ということを認識しなければなりません。 そこから出てきた力を、自分の国や国民に注ぐのです。それをしなければ、神はあなたを許しませんよ(笑)。

: 本日は、誠にありがとうございました。

◇     ◇

「私は64年間、中国共産党がやってきたことを見てきましたが、彼らは嘘をつくこと、人々を殺すことしかやっていない」

対談でラビアさんはこう断言しました。

しかし、あくまでも「中国共産党が恐ろしい存在である」ことに警鐘を鳴らしているのであって、漢民族に対して人種的な偏見を持っているわけではありません。彼女は「神への信仰が愛や慈悲、許しなど、人間らしい感情を与える」と信じています。だから、神を信じない共産党に洗脳されて、中国人が人間らしい感情を持てなくなったと考えているのです。

こうした人間観は、12月5日に亡くなった南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領に通じます。自伝で「報復からは光は生まれず」「もし憎むことを学べるなら、愛することも学べるはずだ」と語っています。

民族への苦難を神とともに乗り越えた人々がたどりついた許しと寛容の境地は人類の希望です。 また私たちも宗教政党として、そのような普遍的な人間観から政治を考えることを原点としています。

人類が巨大な文明実験を通して何を学び、どのような未来を選択するのか。 いまこそ、神仏の眼差しを感じられる人々が「魂の力」をかけて、立ち上がるときだと思うのです。

ネットオピニオン番組

THE FACT

YouTubeにて 12/28(土)20時~ 配信予定

釈党首とラビア氏の対談が放送されます。

パソコンおよびスマートフォンでご覧いただけます。

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