10日1日に発表される消費増税の中止を訴えるべく、幸福の科学の大学生を中心とする約70人が20日、東京都内で「増税反対デモ」を行った。その後、財務省前で抗議活動を行い、麻生太郎財務相宛の陳情書を提出した。

デモは港区三河台公園から、六本木通り、官公庁が立ち並ぶ桜田通りを経て、日比谷公園まで行われた。学生たちは「消費増税反対!」「就職先が無くなったらどうするんだ」「学生にとっての8パーセントは深刻だ」「オリンピックでごまかすな」とシュプレヒコールをあげた。

途中、通行人からは「やっぱり増税反対だよね」といった声を多数かけられた。また、通りすがりの男性から「増税はやむを得ないのでは」という疑問をぶつけられたが、学生が「増税しても税収が減る」と丁寧に説明をし、最終的に賛同を得る場面も見られたという。

財務省前での抗議活動では、男女数名が演説し「1997年の消費税増税で不況になり、税収が減ったことに関して説明が足りない」「民の貧窮を見て、身を削って税金を免除した仁徳天皇の精神に学べ」など、情熱的に訴えた。

抗議活動をした後、学生代表者が財務省へ入り、陳情書を提出。「消費税を増税すれば、さらなる不況を招き、税収も増えない。今、目指すべきことは経済成長だ」と伝えた。対応した財務省職員が正式に受理した。

昨今、若者の政治離れが問題視されている。しかし、今回デモに参加した若者たちは日本の未来に対する責任感を共有していたと、参加者の1人である山本慈さん(大学3年生)は語る。山本さんは、滋賀県から日帰りでデモに参加し、財務省前で演説を行った。「地位や家族などのしがらみが多く、政治的主張をしにくい大人に代わって、学生が意見を言っていく必要がある」「政治的活動をしなくても、日本を背負っていく責任を感じて、大学での勉強もしていくべきだ」と政治に対する学生の責任を感じていたという。

消費税議論では、若者の声がなおざりにされているという指摘が多い。事実上破綻していると言われている社会保障制度維持のために、自分たちの税や保険料の負担が増え続けていけば、活力を失った日本経済は先細りしていくからだ。そうした将来を望む学生はいないだろう。デモ参加者のプラカードには、「日本の繁栄を共に創りましょう」といった文言が目立った。低成長のデフレ時代しか知らない今の学生たちに、繁栄を見せてあげるのが政治家の役目ではないか。(光)

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