法人税を下げるくらいなら消費増税をやめればいい――消費税の打撃を受けるのは企業も同じ

来年4月の消費増税を前提に、企業減税の話が進んでいる。

20日付日経新聞では、復興特別法人税の前倒し廃止と投資減税で約1.4兆円の企業減税を進め、消費増税に伴う景気失速を防ぐという。

同じく20日付朝日新聞によれば、麻生財務相と相談し、2015年に法人実効税率を引き下げる道筋がついたと判断すれば、消費増税を正式発表するとのことだ。

 

日本の法人税の実効税率は35%程度で、国際水準の25~30%に比べてまだまだ高いため、法人税を下げる必要はある。しかしながら、消費税増税に伴う景気失速を止めるために下げるとなれば、一体何のための法人減税なのか分からない。

 

消費税は個人が物を買う時だけかかるわけではない。企業が材料費や新たな機械設備等を購入する時も、当然、消費税の支払いが必要となる。

企業は消費マインドの冷え込みによる売り上げ減少に加え、日々の生産活動においても重い負担を強いられることになる。新たな投資や事業拡張をする際にも足かせとなるため、投資減税を実施しても、消費増税が結果的に投資を控える要因として働き、企業はますます資金を溜め込むだろう。

さらに、消費税は、赤字企業も支払わなくてはならない。現在、法人税を納めている黒字法人は3割にも満たない。資金繰りに困っている企業から無理に消費税を取り立てれば倒産してしまう。倒産が増えることは、個人においても失業の増加、所得の減少を意味する。

 

そもそも、企業が投資を進めたとしても、消費者がサービスやモノの購入を手控えれば、投資分の回収は不可能になる。

賃上げした企業向けに法人税を減税するといっても、消費増税や原発停止による光熱費アップが賃上げ幅を上回れば意味はない。

経済は循環している。消費税は個人、法人税は企業のみに関係があるわけではない。消費税増税は、個人にも企業にもダメージを与え、日本経済を衰退させる破壊力を持っている。

 

投資を推し進めるために必要なのは、政策減税ではなく、景気回復への期待である。

消費増税が既定路線なら、駆け込み需要で一時的に消費が伸びても、来年4月以降の消費はピタリと止まる。これを考えると、企業は大規模な投資になかなか踏み込めなくなる。

実際、金融緩和を進めても投資はなかなか増えない。民需は本年4~6月期こそプラスに転じたが、7~9月期はマイナスの見通しだ。せっかく東京五輪開催という、人々の期待を高める要因が出てきたのに、ここで消費増税を進めれば期待は失望に変わる。

 

今回の法人税減税が、「消費増税に伴う景気失速の対策のため」と言っていることからも、消費税が景気に少なからぬ悪影響を与えることは政府も分かっているのだ。

まだ、安倍首相自身が国民の前で消費増税を表明したわけではない。最後の最後まで、安倍首相が正しい判断をするよう、本誌はあきらめず声を上げ続ける。後世にツケを残さないためにも。(佳)

 

【関連記事】

2013年9月18日付本欄 消費増税中止へ署名14万人 幸福実現党などが安倍首相に提出

http://the-liberty.com/article.php?item_id=6650

 

2013年10月号記事 消費税上げは“日本経済殺人事件" - The Liberty Opinion 1

http://the-liberty.com/article.php?item_id=6543

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