マイクロン vs. 中国 盗んだ後は訴訟で排除する中国の“知財泥棒”の手口とは

マイクロン vs. 中国 盗んだ後は訴訟で排除する中国の“知財泥棒”の手口とは

 

《本記事のポイント》

  • 米半導体メモリー大手のマイクロンが中国で販売停止に
  • 背景には、マイクロンの技術が盗まれたことと関係
  • アメリカは関税だけでなく、規制強化で中国の技術詐取に対抗

 

「米中貿易戦争」の火ぶたが切って落とされた。米国の関税品目の中には、半導体やその製造装置などのハイテク製品が入るため、「ハイテク戦争」とも言える様相を呈している。

 

そんな中、中国の裁判所はこのほど、台湾の半導体大手聯華電子の訴えにより、米半導体メモリー製造大手のマイクロン・テクノロジーの一部の製品について、中国での販売を差し止める仮処分を下した。これにより、マイクロンが中国市場から締め出された。

 

実はこのニュースは、米中貿易戦争の縮図だった――。

 

 

マイクロンの技術は盗まれていた

訴訟には、伏線があった。

 

以前、マイクロンに勤めていた従業員が、社外秘のメモリーチップ設計図を持ち出して聯華電子に転職していたのだ(6月22日付の米紙ニューヨーク・タイムズ)。

 

台湾警察が聯華電子の事務所を強制捜査した際、同社の上級エンジニアらは、慌てて窃取したデータが入ったノートパソコンとUSBメモリを部下に隠させた。しかもこのケースは、怪しんだマイクロンが調査を依頼しなければ、表面化しなかった問題でもあった。

 

そのためマイクロンは、聯華電子と中国半導体メーカーであるJHICC(福建省晋華集成電路)に対する訴訟を進めている。

 

さらに同社は、「技術が盗まれたタイミングは、マイクロンが、中国政府の支配下にある清華ホールディングス子会社の清華グループなどの買収案件を拒否した直後だ」とも主張している。

 

マイクロンの訴えが正しければ、「中国側は、買収で技術移転を図ったものの、うまくいかなかったので、次は従業員を通して知的財産権を盗む。盗み終えたら、訴訟という手段を用い、マイクロンを市場から締め出す」という構図が見えてくる。

 

中国は、国家の産業政策「中国製造2025」を強力に進めており、その計画の中で、半導体を重点産業分野の一つに挙げている。中国はその分野で世界的な企業が育っていない。このため、企業買収や知的財産を盗むという形で技術を獲得している。

 

これが、トランプ政権の「米中貿易戦争」の発端ともなっている。中国の略奪的慣行の歴史は長く、オバマ政権の退任直前にも指摘されている。

 

 

対米外国投資委員会を改革するアメリカ

アメリカとしては、中国の知的財産権の侵害を食い止めるには、関税を課けるだけでは足りない。

 

同国では、外国企業による米企業への買収などを審査する対米外国投資委員会(CFIUS)の権限をめぐり、「安全保障の脅威」を理由に、中国のハイテク企業を締め出せるよう、権限を強化する方向で進んでおり、今年中に法律として成立する予定だ。

 

企業へのスパイ行為を行っていたファーウェイ、レノボ、ZTE(中興通訊)に加え、米メーカーのIBM、デル、マイクロソフトなどと提携関係のある複数の中国企業が、CFIUSの審査の対象となる可能性もある。マイクロンを買収しようとしていた清華ホールディングスも、ZTEのように標的とされるかもしれない。

 

 

トランプ氏「自国産業を失えば、国は未来を失う」

米議会の超党派諮問機関「米中安全保障経済調査委員会」は、次世代モバイル通信規格の5Gや、クラウド・コンピューティングなどの情報技術だけでなく、3Dプリンター、ロボティックス、ナノテクノロジー、バイオ医薬、医療機器などの分野でも、中国に抜かれる可能性があると予測している。

 

すでに電気自動車では、中国に抜かれていることを認めている。このような危機感も背景にあり、関税や投資制限、輸出制限などの一連の措置がとられているとみていい。

 

中国は、貿易黒字でため込んだお金を、企業買収や企業スパイ、サイバー攻撃などに使えば、「中国製造2025」で掲げる目標を達成し、「経済的侵略」を達成できる。トランプ大統領は、「自国の産業を失うことは、国の未来を失うことだ」という信念を幾度となく表明している。日本も、そうした自覚とともに、対応策を講じることが緊急に求められている。

(長華子)

 

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タグ: マイクロン  中国  半導体メモリー  貿易戦争  中国  アメリカ  聯華電子  

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