古代ギリシャ文明の落日を描いたスペクタクル映画『オデュッセイア』

2026.09.20

全国公開中

《本記事のポイント》

  • 古代ギリシャ文明没落の謎
  • 妖怪・魔女に翻弄されるオデュッセウス一行
  • 愛と発展に満ちたギリシャ精神

古代ギリシャの詩人ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』を、『インターステラー』のクリストファー・ノーラン監督が映画化した超大作。トロイア戦争後の英雄オデュッセウスによる10年におよぶ帰還の旅を描く。

トロイア戦争を終えたイタケの王オデュッセウスは、妻と息子が待つ故郷への帰還を目指す。しかし神々の怒りを買った彼の前には、一つ目の巨人や魔女、荒れ狂う海の怪物といった幾多の試練が立ちはだかる。

一方、王の不在が続く故郷では、王妃ペネロペに求婚者アンティノオスの影が忍び寄り、まだ見ぬ父を思う息子テレマコスも窮地に追い込まれていた。愛する家族のもとへ帰り着くため、オデュッセウスは過酷な運命に立ち向かっていく。

オデュッセウスと妻ペネロペをマット・デイモンとアン・ハサウェイがそれぞれ演じ、息子テレマコスをトム・ホランド、求婚者アンティノオスをロバート・パティンソンが演じた。そのほか、女神アテナ役のゼンデイヤをはじめ、ルピタ・ニョンゴ、シャーリーズ・セロンらが顔をそろえた。

古代ギリシャ文明没落の謎

この映画の主要なテーマは、トロイア戦争きっかけとして、なぜ古代ギリシャ文明は没落し、その後400年間もの暗黒時代を経験することになったのかという謎である。

トロイの木馬で有名なトロイア戦争は、シュリーマンの発掘によって歴史的事実であったことが判明し、紀元前1300年頃に行われたとされる。その後、ギリシャ本土のピュロスやミュケナイも滅亡し、紀元前1100年頃から古代ギリシャは暗黒時代に突入、一つの文明が崩壊したのである。そして、この文明の破滅の原因は、ギリシャ史上最大の謎とされ、気候変動や民族大移動など諸説が出されている。

ノーラン監督は、その原因は、トロイア遠征によって、古代ギリシャ人が「ゼウスの掟」を破ったことに対して、神の怒りが炸裂したからなのだという見解を本作の随所に漂わせている。

映画の中で「ゼウスの掟」は、「見知らぬ旅人を手厚くもてなす」という習わしに象徴される、愛と労わりの精神として描かれている。ギリシャ世界に共通するこの愛と優しさの精神が、古代ギリシャ世界内の諸国家相互に信頼関係を生み出し、自由な交易による富の増大をもたらしたとされている。

ところが、好戦的で残虐、略奪をなりわいとするミュケナイ王アガメムノンを総大将とする本土ギリシャ軍が、かつてのクレタ島を中心としたミノア文明の末裔であるトロイアを攻め滅ぼした。それが本作で中心的に描かれているトロイア戦争である。

大川隆法・幸福の科学総裁の霊査によると、クレタ島を中心としたミノア文明の中心となったのは、この地に生まれた英雄ヘルメスであり、このヘルメスが説いた愛と繁栄の思想が、その後のギリシャ文明・西洋文明の繁栄の原動力になっているのだという。

ヘルメスの当時、この生命体は、『発展・繁栄』ということを中心に説いたのですが、『発展・繁栄』を説いたそのあと、ギリシャの人々は、正しい法が遺っている段階の、しばらくの間は、豊かで平和な暮らしをしていたものの、この教えを誤解し、やがて堕落する人たちが出てきました。そして、繁栄から退廃への道を歩んでいったわけです」(『幸福の科学の十大原理(上巻)』)

トロイアを攻め滅ぼしたことが、神の怒りを買ったのだというノーラン監督の見解は、このトロイアが正統なミノア文明の後継者であり、ミノア文明の中心を担ったヘルメスの思想を継承していたとするならば、正鵠を射た見方だと言えるだろう。

妖怪に翻弄されるオデュッセウス

この映画のもう一つの特徴は、主人公のオデュッセウスが、帰還の旅の途中で、様々な怪物や魔女に翻弄され、10年間にわたって留め置かれる原作の姿を忠実に再現したところである。

一つ目の巨人ポリュペモスや、人間を豚の姿に変える魔女キルケ、美しい歌声で旅人惑わす女神セーレン、オデュッセウスと同棲し、7年にわたって留め置いた美魔女カリュプソなど、様々な怪物や魔法使いが現れる。

これは、おそらく、高度な古代ギリシャ文明の崩壊とともに息を吹き返した、ギリシャ固有の妖怪や魔物の復活を象徴しているのではないだろうか。

こうした数多くの魔女・妖怪が、なぜ古代叙事詩に書き残され、その後も連面と語り続けて続けられたのだろうか。大川総裁は、日本の妖怪について解き明かした著書『妖怪にならないための言葉』の中で次のように解説している。

おそらくは昔の信仰が、仏教や儒教、キリスト教らの思想の高さに裏側に追いやられて、天上界とも地獄界とも言いかねる『恐怖』と『こっけいさ』が同居した民間信仰として残ったのだろう」(『妖怪にならないための言葉』)

確かに、オデュッセウス一行を翻弄する怪物・魔女たちの姿は、「妖怪は、相手の恐怖心を見て喜び、優越感にひたる」(『妖怪にならないための言葉』)という大川総裁の指摘そのものであり、高度な文明を自ら滅ぼした、古代ギリシャ人たちの、暗い行く末に待ち受ける者たちでもあったのだろう。

愛と発展に満ちたギリシャ精神

映画は最後に、暗黒の時代の到来を予感したオデュッセウスが、再会した妻ペネロペとともに、ギリシャ世界に希望の種をまこうと決意するところで幕を閉じる。

それは、愛と繁栄に満ちたギリシャ精神に対して、ゆるぎない信頼を寄せる文明人の姿であり、野蛮さを体現したアガムメノンに屈従・従軍したことに後悔し、懺悔する姿でもある。

ギリシャという国が創られ、発展していく前には、天上界で高級諸霊が数多く集まり、ギリシャの指導神、ギリシャの神々となりました。アトランティスの時代に光の指導霊だった人びとが集まって、ギリシャという国を創っていくという決意をし、西洋文明の源流を創ってきたのです」(『愛から祈りへ』)

高度な文明がいかに壊れやすいものであり、そして、その後に続く暗黒時代の悲惨さを描いたこの作品は、幸福で豊かな人生の"揺りかご"としての精神文明の大切さと、それを守り抜く決意の大切さを改めて教えてくれる。

 

『オデュッセイア』

【公開日】
全国公開中
【スタッフ】
監督:クリストファー・ノーラン
【キャスト】
出演:マット・デイモンほか
【配給等】
配給:ビターズ・エンド、ユニバーサル映画
【その他】
2026年製作 | 172分 | アメリカ

公式サイトhttps://odyssey-film.jp/

【関連書籍】

『幸福の科学の十大原理(上巻)』

幸福の科学出版にて購入

Amazonにて購入

『妖怪にならないための言葉』

幸福の科学出版にて購入

Amazonにて購入

いずれも 大川隆法著 幸福の科学出版


タグ: オデュッセイア  ホメロス  マット・デイモン  古代ギリシャ  魔女  文明没落  クリストファー・ノーラン  ギリシャ精神  妖怪 

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