要衝・スエズ運河を脅かす!? 中国の「エジプト行政首都建設事業」【チャイナリスクの死角】
2026.06.04
国際政治学者
佐久間 拓真
(ペンネーム)
国際政治の中でも特に米中関係、インド太平洋の安全保障、中国情勢を専門にし、この分野で講演や執筆活動、現地調査などを行う。
地政学的な要衝、スエズ運河を抱えるエジプトがいま、中国による経済的侵略とも呼ぶべき事態の最前線に立たされている。
かつて文明の十字路として栄えたこの地は、中国が掲げる巨大経済圏構想「一帯一路」のパズルの欠かせないピースとなり、その依存度はもはや引き返せない水準にまで達しつつある。
我々が「チャイナリスク」と呼ぶ際、多くの場合は台湾有事やサプライチェーンの断絶を連想するが、エジプトで進行している事態は、より巧妙で、かつ構造的な死角を突いた国家支配のプロトタイプであると言える。
中国に依存したスエズ運河経済特区
エジプトにおける中国の影響力拡大を象徴するのが、スエズ運河経済特区(SCZone)への巨額投資である。
中国企業は運河周辺のインフラ整備や工業団地開発を独占に近い形で進めており、数千億円規模の資金を投じている。エジプトにとって、外貨不足と経済停滞は長年のアキレス腱であり、欧米諸国が人権問題や財政健全化を理由に支援を渋る中で、無条件に近い形で巨額融資を提示する中国は、シシ政権にとって抗いがたい救世主であった。
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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