トランプ政権がキューバのカストロ元議長の起訴で圧力を強化 ─ 中南米と中間選挙を押さえ、中国を追い込む狙い

2026.05.22

ラウル・カストロ氏は、1959年にキューバ革命を主導したフィデル・カストロ氏の弟(画像:"Raúl Castro Ruz en México, 2015 (cropped)" by [1] is licensed under CC BY 2.0.)。

《ニュース》

米司法省は20日、キューバのラウル・カストロ元議長(94歳)ら6人を殺人罪などで訴追したことを発表しました。また米軍は同日、ニミッツ空母打撃群をカリブ海に配備しており、トランプ政権のキューバに対する圧力が過去最高に達しています。

《詳細》

カストロ氏らの起訴の理由となったのは、キューバ軍が1996年に米民間機2機を撃墜し、アメリカ人を含む4人が死亡した事件です。

当時、国防相としてキューバ軍を指揮していたカストロ氏に加え、キューバ軍パイロットら5人が殺人などの容疑に問われています。カストロ氏はキューバ国内にいますが、何らかの方法でアメリカ国内の刑務所に連行され、有罪判決を受けた場合、死刑または終身刑に処せられる可能性があります。

撃墜された民間機は、キューバからアメリカへの亡命を支援する亡命者グループ「ブラザーズ・トゥ・ザ・レスキュー」のものです。同組織は90年代に、4000人以上のキューバ人が無事に亡命できるように支援しました。これに対しキューバ政府は、スパイを送りこむことで飛行日時などを割り出し、警告なしにミサイルを発射して撃墜しました。

当時のクリントン政権は、「最も強い言葉で非難する」とし、キューバへの制裁を強化。その後、キューバ人スパイ5人がキューバ人亡命者や米軍基地をスパイした罪で有罪判決を受けていたものの、キューバとの関係改善を図ったオバマ政権によって釈放され、キューバに送還されていました。

そのため今回の起訴は、キューバ人を始め多くの人々から、「ついに正義が下された」と歓迎されています。キューバの反体制派の指導者ローザ・マリア・パヤ氏は「これは、長年にわたる弾圧に耐えてきた被害者、その家族、そしてキューバ国民に対する正義と連帯の表明である」と指摘。キューバ国内でも多くのキューバ人が、独裁的な権力者らが追放され、共産主義政権全体の崩壊につながることへの期待感を示しています(20日付米紙ニューヨーク・ポストなど)。

米司法省のトッド・ブランチ長官代行は20日、カストロ氏らの身柄の確保について、「彼が自らの意思で、あるいは別の方法で、ここに来ることになると我々は考えている」と述べました。マルコ・ルビオ米国務長官は21日、「現在の状況を鑑みると、(交渉による合意が)実現する可能性は高くない」とし、キューバへの軍事介入の可能性も否定していません。

キューバ革命の象徴であり、政権内で未だに絶大な影響力を持つカストロ氏の起訴は、キューバ政府に対する、平和的手段による最終警告であるという見方が強まっています。

《どう見るか》

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タグ: 中国  カストロ元議長  トランプ  中間選挙  キューバ  制裁  起訴 

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