イスラエル vs. ハマス 世界最終戦争へ向かうのか? - Part 2 無責任な英国外交が生んだパレスチナの悲劇
2023.11.29
2024年1月号記事
イスラエル vs. ハマス
世界最終戦争へ向かうのか?
混迷する中東情勢──。戦争の拡大を防ぐ道を探った。
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イスラエル vs. ハマス 世界最終戦争へ向かうのか? - Part 2 無責任な英国外交が生んだパレスチナの悲劇
INTERVIEW 01
無責任な英国外交が生んだパレスチナの悲劇
東京外国語大学名誉教授
八尾師 誠
(はちおし・まこと)1950年札幌生まれ。北海道大学大学院博士課程修了。東京外国語大学名誉教授。2018年までイラン・イスラーム自由大学大学院でイラン近現代史を教えた。主な著書に、『イラン近代の原像─英雄サッタール・ハーンの革命─』(東京大学出版会)がある。
──イスラエル建国の歴史も踏まえた上で、パレスチナ問題をどう考えるべきでしょうか。
八尾師氏(以下、八): パレスチナ問題は、1914年からの第一次世界大戦におけるイギリスの「三枚舌外交」が原因です。
まず、15年に連合国の英仏露の間で、戦勝国となった際、敵対するオスマン帝国の解体を定めたコンスタンティノープル協定という秘密協定が結ばれます。翌16年、サイクス・ピコ協定でこの秘密協定の内容を確認し、オスマン帝国の具体的な分割案を進めました。「パレスチナはイギリスの管理領」と定められます。
並行して15年、イギリスの高等弁務官マクマホンがアラブの有力者フセインに対し、この大戦で連合国側として戦えば、「戦後のアラブの独立を約束する」というフセイン・マクマホン協定を結びます。
次ページからのポイント
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