「アラブ革命後“スターリン”が現れる」米歴史学者ファーガソンの悲観論

2011.03.02

歴史学者でアメリカ・ハーバード大教授のニーアル・ファーガソン氏が最新のニューズウィーク誌に、アラブ・中東の民主化革命の将来について「非アメリカ的革命」と題する論考を書き、悲観的な見通しを示した。アラブ・中東各国の教育水準の低さなどから、これらの革命が安定や繁栄をもたらすものではないと予測する。

アメリカ独立が革命の一つの理想とするなら、政治的リーダーとそれを支える良質な世論が欠かせない。アラブ・中東の民主化革命について、これまで語られていなかった観点で、押さえておく必要があるだろう。(織)

以下は要点。

・ 過去、多くの革命は大虐殺と専制に終わる。それなのになぜアメリカ人はアラブの革命の波に歓喜しているのか。

・ アメリカ人は革命好きである。彼らの偉大な国が独立宣言や独立戦争に打ち立てられたので、彼らは本能的に、他の国の革命に味方する。どんなに状況が違っていたり、結果が悲惨なものであっても。

・ 「非アメリカ的革命」は、結果を出すために暴力が必要になればなるほど、ロベスピエールやスターリン、最高に冷酷な毛沢東といった人間に主導権を渡さなければならなくなった。

・ アメリカ革命を起こした人たちは、18世紀の平均からすれば例外的によく教育された人たちで、今のリビアの反体制派は、フランス革命の民兵や、ロシアのホームレス、毛沢東の呼びかけに応じた農民に近い。

・ 最もあり得る結果は、最も組織され、最も過激で、最も無慈悲な革命分子に権力が渡ることだ。アラブの場合、ムスリム同胞団のようなイスラム原理主義組織にあたる。

・ あり得る最悪のシナリオは、フランス革命やロシア革命、中国革命と同じ流血だ。北アフリカや中東の革命はより暴力的になり、数万、数十万の死を伴う。そして本格的な内戦になって数百万の犠牲者が出る。最悪の場合、ナポレオンのフランスや、スターリンのソビエト、毛沢東の中国並みの「敵」が現れる。

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