「共謀罪」法が施行 日本は「自由」が失われる危機にある
2017.07.12
《本記事のポイント》
- 「共謀罪」法が施行された。
- 「共謀罪」法によって、政府にとって都合の悪い団体が処罰される危険がある。
- 日本では、信教、結社、言論の自由が失われつつある。
「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法が11日、施行された。
同法は、テロ集団や暴力団などの組織的犯罪集団を適用対象としており、対象となる犯罪は277に達する。例えば、犯罪を計画した2人以上のうち、少なくとも1人が現場の下見などを行えば、全員が処罰される。
同法の施行により、会社やNGO法人、宗教団体など、組織的な指揮命令系統がある団体のメンバーを、計画や準備の段階で逮捕できるようになった。
与党側は、「2020年の東京オリンピックに向けたテロ対策だ」と強調する。だが、反対意見も根強くあり、野党は「警察権の乱用や、冤罪を生む可能性がある」「犯罪組織の一員と見なされれば、実際に犯罪に着手していない段階でも、電話やメールまで捜査される可能性がある」などとして、廃案を訴えていた。
共謀罪は、「反政府勢力」を一掃するためのもの?
たしかに、今年に入ってから、イギリスのマンチェスターやロンドン、フランスのパリなどで、相次いでテロが起きたことを見れば、日本もテロ対策が急務であることは事実である。
ただ、共謀罪は、イスラム過激派や北朝鮮などのテロ集団を対象にするだけでなく、「政府に都合の悪い勢力」を排除するため、恣意的に利用される可能性があることは問題だ。
例えば、左翼的な反戦運動を行う団体や、憲法改正に反対する勢力、政府を批判する政党なども、対象に含まれている。同法は、「政府へのテロを企てている」という名目で、そうした団体を取り締まるために制定されたという疑念も指摘されている。
日本人は「自由を守る」という選択をするべき
自らの信念のもと、熱心に政治活動をした民間人が今後、監視や盗聴、逮捕におびえながら、活動を行わざるを得ない。これではまるで、独裁国家の中国や北朝鮮と同じではないか。
大川隆法・幸福の科学総裁は、9日に行った御生誕祭の御法話「愛から始まる」の中で、全体主義国家と民主主義国家の違いに言及した。
全体主義国家では、人間は"手段"であって、国家は人間を使って、国の目的を成し遂げようとするが、民主主義国家では、人間そのものが"目的"であり、人間が自由を得て、幸福になっていくことを目指すと語った。
「人間が自由を得て、幸福になる」という観点から見ると、日本にも危うさが見え隠れする。今回の共謀罪法の施行のみならず、マイナンバー制度によって、あらゆる個人情報が一元管理されたり、消費税などが増税されたりするなど、国民の自由が少しずつ失われている。
日本から自由を失わせないために必要なのは、自由を守る声を上げていくことだ。そうした草の根の運動によって、私たちの自由は守られるはずである。
(山本泉)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『政治の意味』 大川隆法・大川裕太著
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