「パネリスト全員が女性で、原子力の専門家」という珍しい国際シンポジウムが、東京・六本木の政策研究大学院大学で開かれた。
シンポジウムは「女性が語る原子力-なぜ必要か、なぜ安全か、なぜ他にないのか」と題され、10か国以上からプラント技術者や放射線医学者などの専門家が集まった。
本シンポジウムについて報じた産経新聞によれば、参加者の世界原子力協会創設者アニエッタ・リーシングさん(スウェーデン)は、「マスコミが原子力を否定しがちで、恐怖を報道している。それでも米国では原子力に対し70%近くの強い支持がある」と述べた。フランス電力中国支社CEOのシュータン・ソンさんは、「中国のエネルギー源の大部分は火力に依存しているため、環境汚染の懸念が高い。巨大な電力需要に応えるために、原子力が持続可能で有効なエネルギー源となる」と説明している。
放射能の危険性については専門家でないと判断がつかないため、福島第一原発事故の際にも、放射能の恐怖を煽るマスメディアの報道が日本全国・全世界へと広がった。科学的根拠を示すことなく、「放射線の影響力が子供に及ぶことが心配」「今は分からないが、今後、放射線による健康への影響が出てくるかもしれない」と、女性たちの不安をあおるような感情的な報道も多く見られた。
こうした報道に対し、女性たちが冷静に、原発の必要性や安全性、どのように国民に理解してもらうかといった議論を行ったことは興味深い。
大川隆法・幸福の科学総裁は、2011年6月4日に福島市内で説かれた法話「天災と人災」で、福島の風評被害の実態は、マスコミによる「報道被害」であることを指摘した。そして今回の原発事故を契機にして、さまざまな問題の解決策と、改善のノウハウを確立することで、日本の原発技術は世界の最先端に立てるという明るいビジョンを語った。
1980~90年代にかけて、世界各地で原発事故が相次ぎ、プラント建設の中止を余儀なくされていた地域もあったが、徐々に原子力が「持続可能なクリーン・エネルギーである」という認識が広まり、「原発回帰」の流れが出来つつある。放射能を必要以上に恐れ、感情的な反原発運動をするのではなく、原子力発電に関して信用できる情報をもとに、冷静な議論が求められている。(真)
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幸福の科学出版 『天使は見捨てない 福島の震災復興と日本の未来』 大川隆法著
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幸福の科学出版 『されど光はここにある 天災と人災を超えて』 大川隆法著
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