米国を訪問中の安倍晋三首相は、技術系の研究が盛んで、シリコンバレーで起業する卒業生も多いスタンドフォード大学で講演を行った。首相は、今後5年間で日本の中小企業などから200社を選び、シリコンバレーに従業員を派遣するプロジェクトを始めると発表。その後、シリコンバレーのフェイスブック社やテスラ・モーターズ社を訪問した。

政治家が、シリコンバレーなどと技術面で協力関係を持てるよう外交を行うことは非常に重要だ。ただ、日本の技術者も、まだまだ潜在能力を持っている。日本にもシリコンバレーのような創造性の高い最先端産業の集積地を創り出せるはずだ。

日本人技術者とシリコンバレーの企業家の違いは、交渉力・事業化力にある。シリコンバレーの企業家は、技術者であっても、予算を自らつくり出したり、出資者を募るなどして、事業化する力がある。例えば、フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグ氏も優れたプログラマーであり、かつ、交渉力、資金調達能力に長け、若くして巨万の富を築いた。

今後、日本が注目すべき分野として、世界の人口が100億人に近づく中で喫緊の課題である「食糧問題」「エネルギー問題」があるだろう。

食糧問題に関しては、モンゴルや中東など、今まで農作物などを栽培できなかった土地で農作物を得られる技術、例えば植物工場などが開発されつつある。現在、各企業が開発と普及にしのぎを削っている。

エネルギー問題は、発電効率が低く、安定供給も望めない太陽光発電や風力発電などでなく、原子力に匹敵するかそれ以上の発電効率を持つ代替エネルギーの開発を目指す必要がある。例えば、海水に含まれる重水素からエネルギーを分離する研究も行なわれているが、これも新たなエネルギー源になると考えられる。

また、日本が力を入れるべき分野として、「宇宙開発」も重要だ。例えば、スペースシャトルの技術を改良し、地球の裏側まで2、3時間で到達できるようになれば非常な付加価値を生む。また、今後月や火星の資源開発が始まった場合、日本の宇宙技術が劣っていれば、資源調達の遅れで後進国に近づく可能性が高い。

日本には、これらの新たなフロンティアを研究するだけの頭脳や才能を持つ技術者がいるはずだ。加えて、企業家能力を高めた技術者が多数集まり、切磋琢磨し合えば、日本にもシリコンバレーが出現するだろう。(泉)

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