韓国がベトナム戦争当時(1960年~70年)、ベトナム人を軍の慰安婦として働かせていた事実を記した米公文書が、このほど判明した。韓国軍慰安婦の存在は知られていたが、同文書で明らかになったのは初めて。週刊文春(4月2日号)が報じた。
同誌によると、韓国軍慰安婦の存在を指摘した文書は、米軍司令官からベトナム駐留韓国軍最高司令官の蔡命新(チェ・ミュンシン)将軍に宛てた書簡であり、1969年ごろに作成されたと見られる。同文書には、一部の韓国兵が物資の横流しなどの経済犯罪を行っていた場所の一つとして、ベトナム・サイゴンにあった韓国兵向けの慰安所(名称「トルコ風呂」)と記述されており、このほかダナンの複数の慰安所も記されている。
韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、女性への性暴力と位置づける、いわゆる「従軍慰安婦」問題を持ち出し、対日非難を強めていただけに、今回の文書をどのように受け止めるのか注目される。
朴氏「ベトナムへの謝罪は金正日への謝罪と同じ」
ベトナム人慰安婦問題以外にも、韓国軍は戦争中、婦女子への性暴力や民間人の大量虐殺などの蛮行を繰り返したことが問題になった。これに対し、韓国の金大中(キム・デジュン)大統領が1998年当時にベトナムを訪れ、「ベトナムの国民に苦痛を与えた点について申し訳なく思う」と初めて同国に謝罪した経緯がある。
しかし、当時、ハンナラ党副総裁だった朴氏はこの謝罪について、「韓国戦争(1950年~53年の朝鮮戦争)に参戦し、自由民主主義のために戦った16カ国の首脳らが金正日(キム・ジョンイル)北朝鮮国防委員長に謝罪したのも同然なこと」「参戦した勇士らの心と大韓民国の名誉を大きく傷つけた」などと述べ、金大統領を痛烈に批判している(韓国紙「中央日報」2009年10月21日付電子版)。
朴氏は、自国の兵士が婦女子への性暴力を働いても、民間人を虐殺しても、問題なしと考えているのだろうか。それでいて、日本の「従軍慰安婦」をもって日本を批判しているのだから、言っていることが矛盾している。もちろん、本誌・本欄で再三にわたって述べているように、日本の「従軍慰安婦(性奴隷)」は虚構の歴史であるため、日本が韓国に謝罪をする必要はないという本質的な違いがあることを付け加えておきたい。
謝罪を拒んだ過去を持つ朴氏は、その姿勢を改め、ベトナムに誠意ある謝罪と賠償を行うべきだ。(山本慧)
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