米カリフォルニア州グレンデール市に設置された慰安婦像撤去を求めて、米国在住日本人らによるNPO法人「歴史の真実を求める世界連合会(GAHT)」がグレンデール市を提訴してから、約1年後の23日、ロサンゼルスの州裁判所は事実上、原告であるGAHT側の訴えを退ける判断を示した。26日付産経新聞などが報じた。

今回の訴訟では、判事がGAHT側に対し、「慰安婦像の設置が日本人の感情を傷つけたとの原告側の主張が事実であれば、なぜ日本政府から同調する内容の意見陳述書の提出がないのか」と発言していたという。

また、州裁判所は、慰安婦への人権侵害は「米下院決議だけでなく、日本政府も認めている」と、判断の根拠を示している。

慰安婦像撤去を民間任せにした日本政府

今回の判断は、慰安婦募集の強制性を認め、慰安婦への「おわびと反省の気持ち」を盛り込んだ1993年の「河野談話」を踏まえたものとみられる。

菅義偉官房長官は25日の記者会見で、この訴訟について「極めて残念なことと受け止めている」と述べている。ただ、菅氏の「慰安婦像や碑の設置は日本政府の立場やこれまでの取り組みと全く相いれないものである。在留邦人の方も恐らく同じ思いで訴訟に踏み切られたのだろうと思う」というコメントは、1年前にGAHTが慰安婦像撤去を提訴した時とほとんど同じものだ。慰安婦問題への対応を民間任せにする姿勢は、大きくは変わっていない。

「河野談話」の白紙撤回が慰安婦問題解決に必要

今年夏に出される「安倍談話」の焦点は、これまでの談話の歴史認識を大きく変更するかどうかにある。

25日には首相官邸で、「安倍談話」について検討する有識者による「21世紀構想懇談会」の初会合が開かれた。安倍首相は夏までの懇談会による議論を踏まえ、談話の作成に当たる方向だというが、年頭の記者会見で「村山談話を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継ぐ」と発言するなど、現段階では、談話を踏襲する方向のように見える。

海外に住む民間の日本人がどれほど力を尽くそうとも、日本政府が慰安婦の強制連行という嘘を認めた「河野談話」が撤回されない限り、慰安婦問題は根本的には解決しない。日本の正しい歴史を継承するためにも、自ら日本を貶めた「河野・村山談話」を白紙撤回し、新たな談話を発表する必要がある。(真)

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