株価が緩やかな上昇傾向にあり、ここ数カ月間の日経平均は1万7千円前後で推移している。財務省はこのほど、景気判断について、4期連続で「回復の動きが続いている」と発表した。
景気が回復すれば、自然に消費は拡大していき、企業の売上は伸びる。多くの経営者は、それを願うだろう。しかし、政府の発表や統計を、そのまま信じて、経営判断するのは危険だ。
実際に、安倍晋三首相が2013年10月、8%への消費増税を決めた際、増税の条件であった「景気の好転」は、2013年4~6月期のGDP成長率3.8%(年率)が根拠とされた。だがこれは、積極的な公共投資でつくった「官製」であった。その後1.4%に下方修正されている。「景気の良さ」を演出する政府発表には、警戒が必要だ。
景気の良し悪しにかかわらず、企業は何としても生き抜かなければいけない。特に、企業の盛衰を決める経営者や経営幹部は、日々の判断や見通しが重要となる。
そうした経営者や経営幹部を目指す人々が読んでおきたいのが、このほど発刊された、大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁の『帝王学の築き方』だ。
本書では、帝王学を目指す人は、「追い風ばかりを常に受けて進むことを考えてはならない」と指摘。「『自分の帝王学を築く』ということは、やはり、『自分自身に対して厳しくあることの勧めでもある』ということ」としている。
ほかにも、「厳しさの経営」が必要である理由や、「帝王学として必要な心がけ」「リストラの前にすべき努力」「諫言を聞くときに大切なこと」など、さまざまに記されている。本書は、2015年の年頭に説かれた、大川総裁の同名の法話内容が収録されたものだが、サブタイトルは「危機の時代を生きるリーダーの心がけ」と銘打たれている。
実は、このタイトル意味は深い。
というのも、2014年の年頭に、大川総裁は「忍耐の時代の経営戦略 ~企業の命運を握る3つの成長戦略~」という演題で法話を行った。同名の著書は全国で発刊されている。この書籍では、「アベノミクスは成功していない」として、アベノミクスの本質が、民間主導でなく、政府主導で全部できると考えている社会主義的な部分を鋭く指摘。昨年1年のアベノミクスのつまずきを見事にいい当てた格好だ。
2015年の年初、経営者や管理職、リーダーを目指す人々に「自らに厳しくあることのススメ」が説かれた意味は、次第に明らかになってくるはず。その意味でも、リーダー層には必読の書と言える。(居)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『帝王学の築き方』 大川隆法著
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1397
幸福の科学出版 『忍耐の時代の経営戦略』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1142
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2014年4月27日付本欄 安倍首相がアベノミクスを理解していない!? 「経営戦略の練り直し」に駆られる一書
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7764
2015年1月4日付本欄 アベノミクスを失敗させない、大川隆法総裁の"成長戦略"とは?