安倍晋三内閣の経済政策であるアベノミクスは、結局成功したのだろうか。

安倍政権下では、大胆な量的金融緩和政策が株価を押し上げ、大規模な財政出動も実施された。一方、消費税率の引き上げや、成長戦略の貧弱さといった、不安要因も多い。果たして日本経済は復活できるのか――。世間では楽観論・悲観論で分かれている。

そんな中、大川隆法・幸福の科学総裁は『忍耐の時代の経営戦略』という経営書を発刊する。本書は、年初に大川総裁が行った講義を書籍化したものだ。4月28日より全国の書店で順次発売される。

大川総裁は、デフレ脱却には「量的金融緩和」や、「大規模な財政出動」が必要だと主張し続けてきた、いわばアベノミクスの発信元だ。その大川総裁が、「忍耐の時代」と銘打つ経営書を出したこと自体、アベノミクスに厳しい「通信簿」を突きつけたことを意味する。大川総裁は以前より「安倍首相自身がアベノミクスを理解していない」と指摘していた。

本書の前半では、2014年以降のマクロ経済分析がなされ、アベノミクス失速への警告が発される。

アベノミクスへの期待や消費増税前の駆け込み需要で、この1年程はおおむね株価上昇が続いたが、株価を銘柄別に分析したとき、まだ実体のある経済成長にはつながっていないことがわかると指摘。さらには、消費増税や、安倍政権が各企業に行っている「賃上げ要請」などを見れば、アベノミクスのかかえる矛盾は多いという。

さらに、安倍首相が経済政策を誤っている「思想的な背景」にも踏み込み、「アベノミクスと中国経済との共通点」や、「財政における、地動説と天動説の違い」など、興味深い論点が示された。また、失われた20年に苦しむ日本経済の、根本的な課題も触れられている。

経営者やビジネスマン個人にとっては、アベノミクスによる「追い風」はもはや期待できず、逆風の吹く「忍耐の時代」を迎えることとなる。本書の後半では、そんな中で会社や家族を守るため、どのような経営戦略が必要なのか具体的に述べられている。

ブルーオーシャン戦略やニッチ戦略とも異なる新しい戦略や、付加価値を生むための発想法、また「社員一人」の果たす役割を大きくするためのヒントにも触れられている。経営者に限らず、誰にとっても成功へのヒントになる内容だ。

経済分析書、経済原理のテキスト、経営書を兼ねた本書は、自分の会社や職場、個人、そして日本経済を救うためにも必読と言える。

【関連書籍】

幸福の科学出版 『忍耐の時代の経営戦略』 大川隆法著

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