2015年、アベノミクス第二幕は成功するのか――。今年も引き続き、有効な経済政策を探っていくべきだろう。

しかし、日本経済を成長させるには、政策のみならず、「国民一人ひとりの姿勢」にも目を向けるべきだ。

増税、岩盤規制の背景には「依存心」

2014年の消費税増税は、「社会保障の維持」が名目だった。そのため、多くの国民は強く反対できなかった。増税が行われた結果、日本経済は大減速。「デフレ脱却」は振り出しに戻った。

第三の矢「成長戦略」で掲げられた規制緩和も、進まなかった。既得権益層の抵抗が強かったためだ。

日本国民全体に「国の保護を受けたい」という依存心が強すぎることが、経済政策の失敗につながっているのではないか。

国家繁栄は国民の「自己改革」から

イギリスが繁栄した理由を知ることができる成功談集であり、明治期の日本で翻訳版がベストセラーになった、サミュエル・スマイルズの名著『自助論』からの言葉を紹介したい。

「広く古今の歴史を観察し、それぞれの出来事について考えると、国家の優劣強弱は、その国の人民の品行に関係している例が多く、その国の政治に関係している例は少ない。なぜなら、国家は人民一人ひとりの資質を合算したものの総合体だからだ」

「国家で立てられた制度は、たとえ美をつくし善をつくしたとしても、人民のための真の援助とはならないものである。それよりも、人民がそれぞれに自分自身の自由に任せて、その志を発揮するようにし、それによって自身で励んで自己改革するなれば、それが結果として人民のための真の利益となるのだ」

日本の経済政策の挫折を見ていると、「国家の繁栄は、政治よりも国民の資質が決める」「人民の自己改革が重要」という教訓は、決して古びていない。自ら価値を生み出そうと努力する国民が減れば、どんな政策を試しても、日本経済は再浮上しない。

大川総裁が鳴らす「大きな政府」への警鐘

日本人一人ひとりに国家繁栄の主役となってもらいたい――。そんな願いを込めて出版されたのが、大川隆法・幸福の科学総裁の著作『智慧の法』(幸福の科学出版)だ。

タイトルに「法」がつく著作シリーズは、大川総裁の著作の中で、最重要視されている。幸福の科学グループとして、その年に「最も訴えたいこと」が書かれた本だ。

今年の年頭教書ともいえる同書の第一章では、日本の「大きな政府」的な傾向に警鐘が鳴らされている。

「『繁栄への大戦略』は、国家が立てればよいというものではありません。それを立てるのは、国家の構成員であるところの国民であるべきです。(中略)原点に立ち返って、『自分は何ができるか』ということを、自分自身に問うところに戻っていただきたいのです」と、国家繁栄の原点が示される。

一人ひとりが繁栄するヒントがちりばめられた本

さらに第二章以降には、国民一人ひとりが自分の力で未来を切り開いていくための、具体的な指針が述べられている。

「情報と知識と智慧の違い」「良質なアイデアを得るための条件」「勉強を付加価値につなげる方法」「仕事や事業の壁を突破する方法」「リーダーシップを発揮する方法」「人を動かし、事業を拡大させる条件」「知識の上にある、宗教的な智慧の意味」などだ。

知性を伸ばして人生や仕事を好転させたいという人には必読の一書だ。読者がそれで成功すれば、それだけ国家が一歩繁栄することになる。(光)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『智慧の法 心のダイヤモンドを輝かせよ』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1377

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2015年1月1日付本欄 新年ご挨拶 『智慧の法』の年の大戦略 「ザ・リバティ」編集長

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