福島第1原発事故で放出された放射性物質を取り除く除染作業が、福島県内外の100市町村で行われている。この除染目標に関して環境省は1日、今まで基準に使われていた「空間線量」から「個人線量」に転換するべきだとする報告書をまとめた。

現在、自治体の多くは、「除染をどこまで行うか」の目標値として「年間1ミリシーベルト」という被ばく量を設定している。そして、これを「1時間あたりの空間線量」に換算し、「毎時0.23マイクロ・シーベルト」になるまで除染を行う方針を取っている。

しかし、「空間線量」とは、航空機や各地に設置されたモニタリングポストで、「その空間にとどまった場合」の被ばく量を計測したものであり、実際の人間の被ばく量を表す数値ではない。一方、今回、環境省が提言した「個人線量」は、人間が線量計を持って移動・生活を行った測定値であり、より現実の値に近い。