政府が、原子力損害賠償法(原賠法)の見直しに向けた初会合を開いたことを、13日付の日経新聞が報じた。

原賠法は、原子力の事故により損害が生じた際の補償に関する法律だが、電力会社が負うべき責任と国が負うべき責任の範囲が曖昧という指摘がある。今回の会合の主なポイントは、原子力損害の損害賠償保険の支払い上限額の引き上げや、賠償額の上限が存在しない無限責任から、上限が存在する有限責任を導入するか否かなどだ。

特に、焦点となるのが同法の第三条。「原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない」という部分だ。

簡単に言えば、「異常に巨大な天災地変、または社会的動乱によって起こった原発事故の場合は、電力会社だけの責任にしない」ということである。だが、2011年3月の東日本大震災は、マグニチュード9.0という日本周辺における観測史上最大の地震だった。