スペインの全国管区裁判所が、昨年11月に、チベット人へのジェノサイド(大量虐殺)の容疑で、中国の江沢民・元国家主席や李鵬・元首相ら5人に逮捕状を出したことは、本欄でも紹介しました。その続報として、同裁判所は今月10日、この5人を国際手配するよう、国際刑事警察機構(ICPO)に要請しました。
今回の要請は、スペイン政府ではなく、裁判所によるものですが、これに対し、中国は「強烈な不満と断固たる反対」を表明して、強く反発しています。ところで、なぜスペインの裁判所が、中国の要人に対する国際手配を要請することができるのでしょうか。
一般的に、ある国の国内法が及ぶ範囲は、「国内」です。ところが、スペインの法律では、スペイン国籍を持つ人が、国外で「人道に対する罪」などの被害を受けた場合、それについてスペインの裁判所が裁く権利があるとしています。このような法律の考え方を「普遍的管轄権」と言います。
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