先週の安倍晋三首相によるインド訪問は、首相が進める「地球儀外交」の中でも意義深いものだった。

日本と中東を結ぶシーレーン(海上交通路)の防衛は、原油輸入の約8割を中東に頼る日本にとっては死活問題だ。第2次安倍政権に入ってから、そのシーレーンの沿岸国である東南アジア諸国連合(ASEAN)や中東諸国などを訪問してきたが、今回のインド訪問がシーレーン戦略外交の締めくくりだった。

1月27日からインドを訪問し、日本の首相として初めて主賓として共和国記念行事パレードを観閲する機会を得るなど、インド側も極めて好意的な対応であった。

日本側の発表によると、首脳会談の結果、安全保障協力関係の強化、日本の国産救難機US-2のインド輸出に向けた作業部会の継続、インド国内での新幹線導入に向けた共同調査など51項目で合意した。

合意内容の中でほとんど報道されていないが、日印両国は今年1月に2国間通貨スワップの交換限度額を150億米ドルから500億米ドルに拡充した点、日印原子力協定交渉の早期妥結に努力する点、そして国連創設70周年と2015年を念頭に、安保理の常任理事国・非常任理事国の双方の拡大を含む国連改革実現に取り組む決意を両国で改めて強調した点の3点は大きく注目される。

このほかにも、海上自衛隊とインド海軍の共同訓練の継続合意や、インドの地下鉄整備などのために約2000億円の円借款を表明し、日本の新幹線技術の輸出につながる高速鉄道計画の共同調査でも合意した。

これらの項目で日印両国が合意したことは、「同盟」関係にも発展する可能性があることを示している。日米同盟を堅持しつつ、インドやオーストラリアとの関係強化や同盟関係の締結は十分あり得るものだ。

インドとのさらなる連携を深めるためにも、集団的自衛権の行使容認を早く決断するべきだが、アジアの経済と安全保障の安定に寄与するものとして、今回の日印首脳会談を評価したい。(弥)

【関連記事】

2014年1月21日付本欄 安倍外遊ハイペース1年33カ国 オバマ・習近平を圧倒

http://the-liberty.com/article.php?item_id=7243

2014年1月16日付本欄 米印演習に招かれる海自 「海の同盟」で中国の脅威を防げ

http://the-liberty.com/article.php?item_id=7226

2013年12月4日付本欄 天皇、皇后両陛下がインドご訪問 インドと日本の強い絆

http://the-liberty.com/article.php?item_id=7027