小野寺五典防衛相は、6日に行ったインドのアントニー国防相との会談の中で、アメリカとインド両国による海上合同演習への海上自衛隊の参加を要請されたと明らかにした。印PIT通信のインタビューで小野寺氏が語ったもの。

インドのシン首相は、昨年9月にアメリカのオバマ大統領と会談し、「日米印の3カ国協議の仕組みなどを確立」することで一致しており、印米の海上合同演習への海上自衛隊参加の要請は、3カ国の連携を具体的に推し進めるものだ。

インドが日米との関係強化を図る背景には、増大する中国の軍事的脅威がある。インドは、カシミール地方で中国との領土紛争を抱えており、たび重なる中国軍のインド領域への侵入に苦慮している。これに対抗するため、昨年7月に6500億ルピー(約1兆1000億円)を投じ、当該地域に5万人の部隊を新たに組織するなど、大規模な計画を策定した。2013年度の国防費、約3兆5000億円と比べれば、中国から領土を守り抜くという姿勢を、インドがいかに強く固めているかが分かる。

尖閣諸島周辺での中国による領海侵犯や一方的な防空識別圏の設定など、日本にとっても中国の脅威は高まるばかりだ。演習参加は、対中防衛シフトを加速させているインドや同盟国のアメリカと共闘して海の安全確保を進めるチャンスである。

日米印の3カ国の連携が立ちはだかれば、中国が覇権主義的な海洋戦略を進める上で、大きな障害となる。日本は、インドやアメリカと歩調を合わせ、海での同盟を粛々と完成させていくべきだ。(慧)

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