戦艦大和のふるさととされる広島県呉市。JR呉駅のホームでは7月1日から、列車の接近を知らせるメロディーとしてアニメ「宇宙戦艦ヤマト」の主題歌のオルゴール音が流れている。
私たち21世紀の日本人にとっては、旧海軍の大戦艦よりも、架空の「宇宙戦艦ヤマト」のほうが親しまれているようだ。だが、ある意味、「それでいいのだ」とも思える。「戦艦大和」は海中に没したが、「宇宙戦艦ヤマト」は強敵との死闘を乗り越えて地球に生還、見事に人類の危機を救ったからである。私たちは日本の未来について、「宇宙戦艦ヤマト」のような明るいイメージを持ちたいものだ。
一方、なぜ戦艦大和は沈み、ヤマトは勝利したのか。物語だからと言えばそれまでだが、あえて言うと、「航空戦力の違い」が大きいのではないだろうか。護衛戦闘機もつけずに出撃した大和は、米空母から発進した戦闘機群の猛攻にさらされた。だが、ヤマトは宇宙戦闘機ブラック・タイガーなどを多数搭載していた。ヤマトが宿敵ガミラスの包囲を突破した背景には、ヤマトが戦艦であると同時に空母でもあったことがあげられよう。
さらに、宇宙戦艦ヤマトの持つ兵器が、敵と同等以上の威力を持つものばかりだったことも勝因だ。1975年発行の小説『宇宙戦艦ヤマト』(石津嵐著、ソノラマ文庫)によると、ヤマトの砲塔には「カリフォルニウム核砲弾」が装填されていた。未来の日本は核武装していたのだ。
平成日本は、隣国の軍事的脅威にさらされている。現代日本に必要なのは、「宇宙戦艦ヤマト」ならぬ「防衛用空母」かもしれない。すでに自衛隊にはオスプレイの発着も可能な「ヘリコプター搭載護衛艦」があるが、「戦闘機搭載護衛艦(空母)」があればもっとよい。そして、日本独自の核抑止力を持つことをタブー視せず、「平和のための核武装」について積極的な検討がなされてよい時期だと思われる。(賀)
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2013年3月号記事 自衛隊はどうやって日本を守っている - そもそモグラのそもそも解説
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【参考書籍】
幸福の科学出版HP 『日本武尊の国防原論 緊迫するアジア有事に備えよ』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=729