原発そもそも大辞典

シーベルト?ベクレル?活断層?核のゴミ? 原発ニュースではいろいろな「分からん語」が飛びかうが、原発は本当に危ないのか。本誌記事から解説する。

※「福島は安全だ 今すぐ我が家に帰ろう」(2013年5月号)の「放射線の「ウソ」を吹き飛ばす9つのQ&A」より

(1) 少ない放射線でも危ないんでしょう?

―― 年間100mSv以下の被曝は問題ありません。

科学の世界では、100mSvより低い被曝では、たとえリスクがあったとしても、そのリスクが確認できないほど影響が小さいということです。また、仮に100mSv被曝したとしても、すぐに病気になるわけでなく、ガンになるリスクが0・5%増える程度です。

(2) 政府やマスコミは「年間1mSvの被曝でも危ない」と言っていたじゃない?

―― 「1mSv」で害はありません。タバコのほうが怖いです。

マスコミが大騒ぎし、日本中に「1mSvでも危ない」というイメージが広がりました。しかし、病院のCTスキャン一回分の被曝線量が6・9mSvであることからも分かるように、1mSvはまったく恐がるような数値ではありません。

(3)いま健康でも、10年後、20年後にガンになるかもしれないでしょ?

―― 今後も福島で特別にガンが増えることはありません。健康を害するレベルでもありません。

そもそも人間の細胞は、新陳代謝や排泄によって毎日入れ変わっています。白血球は3~5日、皮膚は垢などの老廃物となって2~3週間、肝臓や胃、筋肉などを含めるとだいたい1年以内で全身が入れ替わると言われています。ですから、体が受ける放射線量は、単純な足し算よりもずっと低くなります。

(4) 福島の女性は、子供が産めなくなるのでは?

―― 産めます。奇形も生じず、遺伝的な影響もありません。

原爆投下後、広島・長崎で行われた調査では、その後40年間に生まれた約8万人の子供、いわゆる「被曝二世」に、一定の頻度で奇形は出ました。しかし、自然に発生する確率よりも低かったため、「放射線の遺伝的な影響はない」と結論づけられています。

(5) 福島の子供たちは甲状腺ガンにかかるんでしょ?

―― かかりません。チェルノブイリの1千分の1以下の被曝です。

事故当時の福島では、牛乳の出荷が停止されたので、同じ問題は起きない上、専門家の調査で、福島の人々の被曝線量はチェルノブイリの1000分の1以下と判明しています。

(6) 福島産の食べ物は、危ないんでしょ?

―― 心配ありません。むしろ、厳しすぎる規制値を元に戻すべきです。

政府は食品について、自然界に存在している放射能よりも低い数値を設定しているわけです。この理不尽な規制値が、福島の農業や水産業の人たちを苦しめています。

(7) 福島にはもう住めないんでしょ?

―― 今すぐ住めます。除染もほとんどの地域で必要ありません。

放射線に詳しいある大学教授は、「政府が『その土地での外部被曝が年間100mSv以下であれば、除染は必要ない』と宣言すれば、この問題は解決できます」と指摘します。農地や牧草地などの特別な土地を除けば、ほとんどの地域で除染は必要ないということです。

(8) 「核のゴミ」が出るから、原発はやめるべきなんでしょ?

―― 国内での地層処分がベストです。他国に引き取ってもらう方法もあります。「放射能の無力化」の研究も重要です。

廃棄物の処分方法は、廃液をガラスと混ぜて固め、金属容器で二重に覆い、地下300メートル以下に埋める「地層処分」が計画されています。最終処分地に名乗りを上げる自治体はありませんが、エネルギー自給率4%の日本は国策として進める必要があります。

(9) 福島以外でも、「活断層」がある原発は危ないんでしょ?

―― 活断層による地震予知は外れています。活断層を絶対視すべきではありません。

地震予知に成功したことのない地震学に基づく活断層の認定には意味がありません。1995年の阪神・淡路大震災をはじめ、2000年の鳥取県西部地震、04年の新潟県中越地震、07年の能登半島地震、同年の新潟県中越沖地震、08年の岩手・宮城内陸地震のいずれも、活断層がないとしていた場所で起きました。もちろん、地震学者は予知することはできませんでした。