2012年12月号記事

ここがわからん!

そもそモグラの幸福実現党Q&A 後編

2009年に立党した幸福実現党は、他のどの党も避けていた国防の危機を訴え、さらには、経済成長の必要性、宗教立国の志を正面から説いた。この3年間で、同党の政策は現実の政治・経済を動かし始め、海外メディアからも注目され始めている。しかし、まだ広く国民に支持されるところまでは至っていない。

10月号の前編に引き続き、幸福実現党の政策の中で、特に反発が大きかったり、よく質問されるものについて、政策立案にも関わってきた本誌編集部がQ&A形式で解説した。

(編集部 村上俊樹、河本晴恵、居島有希)

道州制・地域主権

国防強化のためには中央集権が必要です。

道州制や地域主権の何がいけないのですか?

地域主権を進めると、国防面で極めて危険です。

  • 沖縄・米軍普天間基地問題から明らかなように、政府の外交・安全保障政策が特定の地域の利害によって大きく左右されると、国をしっかり守ることが難しくなります。
  • 地域主権は、江戸時代に戻る流れです。幕藩体制では欧米列強の侵略に抵抗できないため、中央集権型の明治政府を創った歴史の教訓に学ぶ必要があります。
  • 経済面では、財源を地方に移しても、地方交付税が打ち切られると、地方切り捨てになりかねません。
  • 米国カリフォルニア州一州分の国土に1億2千万人という日本の高い人口密度を生かすためにも、リニア鉄道などの先進交通インフラを整備し、むしろ国家の一体性を高め、効率を良くしていくべきです。

宗教

宗教は人権の基本です。

「宗教立国」って幸福の科学の信仰を押し付けるのではないですか?

宗教立国は世界の常識でありむしろ「無神論立国」の方が異常です。

  • 宗教立国とは、宗教を信じるという前提で国造りをすることです。当然すべての宗教に信教の自由を保障します。
  • 伝統的に神仏を敬ってきた日本では、政治を「まつりごと」と呼び表すように、国造りにおいて宗教が大きな役割を果たしてきました。
  • キリスト教国であるアメリカは、1776年の独立宣言で、人間の尊厳と人権の根拠が「神による人間の創造」にあることを確認しています。ドイツの憲法前文にも、「神と人間に対する責任を自覚」とあります。
  • そのほかにも、アジアの多くの国が仏教によって、中東ではイスラム教によって立国しています。
  • また、「宗教立国」は、人間一人ひとりに神性や仏性が宿るとする民主主義の考え方と一致します。

宗教政党は政教分離に違反しているのでは?

違反しません。政教分離は国家の弾圧から宗教を守るものです。

  • 政教分離は、「宗教が政治をしてはいけない」のではなく、「国が宗教に介入してはいけない」という意味です。
  • 政教分離規定は、過去の日本で、国家神道のもと他の宗教が圧迫されてきたために、それを防止しようとしたものです。
  • 宗教を信じる人は政党を創れず、政治参加できないことになれば、とんでもない差別であり、人権弾圧になります。
  • そもそも憲法は、国民ではなく、国(政府)の行動を制限するものです。
  • もともと、日本国憲法は祭政一致の要素が含まれています。第一条が天皇制から始まっていることからも分かります。

経済

豊かな人を増やし、国を支える人を増やします。

増税

増税しなかったら年金などの社会保障が破綻してしまうんでしょ?

増税したらかえって破綻が早まります。

  • 増税すると、景気が悪くなり、税収が減ってしまいます。
  • 1997年に消費税を5%に引き上げた時は52兆円あった税収は、6年後に43兆円にまで落ち込みました。
  • 税収が減れば、ますます社会保障に使うお金が手当てできなくなります。
  • ちなみに、消費税の滞納額はすでに3000億円を超えており、税金の滞納額全体の半分以上を占めます。増税すればさらに滞納が増えることになります。
  • 97年に増税してから、デフレは本格化し、自殺者は3万人の大台に乗りました。不況下でさらなる増税をすれば、日本経済は壊滅状態に陥りかねません。
  • 増大する社会保障をすべて消費税でまかなうとすれば、2060年には税率が約70%になるという試算もあります。

年金

私たちは、もう年金をもらえないのですか?

たとえ年金が破綻したとしても、年金がなければ生活できない人には支給を続けます。ただ、年金がなくても生活に困らない富裕層への給付は抑制せざるを得なくなります。

  • 年金の積立金残額は119兆円(2011年度末)で、積み立てていたはずの800兆円は、使い込まれて消えています。すべての人に全額支給する状態を維持することはできません。
  • 最低限のセーフティネットを整備・維持しつつ、自助努力と家族の助け合いを基本とした社会保障制度に改めます。
  • 最大の生活保障は雇用です。そのために75歳まで現役で働けるよう、雇用の場を増やします。

経済成長

日本は、これ以上の経済成長は無理じゃないですか?

新しいフロンティアに投資すれば、十分成長は可能です。

  • リニアなどの交通インフラ、宇宙や海底などの開発、都市部の建物の高層化、農業や水産業の技術開発など、成長が期待できる分野はたくさん残っています。
  • ちなみに、世界の中でこの20年で成長していないのは日本ぐらい。アメリカや中国は成長しています。

移民

外国人をたくさん日本に受け入れて大丈夫ですか?

無制限には入れず条件をつけます。

  • (1)日本で犯罪を犯さず、5年ぐらい優良に働いている、(2)一定レベルの日本語能力がある、(3)万一、日本が外国から攻められた場合は、日本のために戦うと宣誓する、などの条件をつければ大丈夫です。
  • 犯罪やスパイ目的で入国する外国人を防ぐため、入国管理を徹底します。

農業・医療等の自由化

関税を撤廃したり、農業への企業の参入を自由化したら、農家は潰れてしまいませんか?

自由化しなければ日本の農業自体が潰れてしまいます。

  • 保護されるとかえって弱くなります。野菜や花はすでに関税が0~3%になっていますが、国産品は滅びていません。
  • 日本の農業生産額は世界第5位であり、技術水準は世界一です。国際競争力があり、むしろ輸出産業になる可能性もあります。
  • 中国でも、日本産のコメは通常の約30倍の価格にもかかわらず、富裕層に大人気です。
  • 農地の集約化と生産性向上により、大量に安い農作物を生産できれば、人口増加による食料危機にも備えることができます。

医療を自由化したら、貧しい人は医療を受けられなくなってしまいませんか?

病院の経営が改善され、多様なサービスを受けられるようになります。

  • ニーズがあれば、株式会社などの参入によって、富裕者向けの医療だけでなく、低所得者向けのディスカウント型医療も可能になります。
  • 公立病院は半数近くが赤字ですが、マネジメントを導入することにより、黒字化が進みます。
  • 赤字病院が減れば、財政の負担も軽くなります。

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そもそモグラの幸福実現党Q&A - 前編

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