韓国の李明博大統領が18日、現職大統領として初めて延坪島(ヨンピョンド)を訪問した。今月2日の北朝鮮軍兵士の亡命や、北朝鮮漁船の北方限界線(NLL)侵犯事件、また2010年に北朝鮮から砲撃を受けて2周忌になることを考慮したものだと、韓国大統領府は発表している。延坪島はNLLの南側1.5kmに位置し、韓国軍兵士1000人が駐屯している。対北朝鮮防衛の最前線の一つだ。

李大統領は同日、「今の北朝鮮住民の生活は自由もなく、食事も十分に食べられない」「本当に気の毒だが、その一方で核兵器を作り、世界に威嚇を与え、南側を威嚇し、あきれてしまう」と述べたという(19日付中央日報電子版)。朝鮮民族にとって悲願である朝鮮半島の統一、しかも北朝鮮の民主化を伴った統一に向けて、軍事独裁政権を打ち倒すことこそ、韓国がやるべきことだろう。

しかるに韓国は、8月の李大統領の竹島不法上陸以降、反日パフォーマンスを続けている。全世界に向けて「独島(ドクト:竹島の韓国名)は韓国の領土」などと広報し、李大統領が天皇陛下への謝罪を要求するなど、終わった戦後賠償を蒸し返そうとするような発言も目立つ。6月末には対北朝鮮対策として、日本と軍事機密情報を交換する協定(日韓軍事情報協定)を結ぶ予定だったが、世論の反対を理由に延期した。

韓国にとっては、歴史的な根拠の薄い竹島やでっち上げの従軍慰安婦問題よりも、核兵器を持つ北朝鮮の方がはるかに深刻なはずだ。韓国が日本に無礼な態度を取り続ければ、もし韓国が北朝鮮から攻められても、日本が助けないということもあり得る。韓国は日本の協力を得て北朝鮮問題を解決するべきであり、そのためにも外交態度を変え、いち早く日韓軍事情報協定を結ぶ努力をすべきである。(晴)

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