俗に「会社の寿命は30年」と言うが、現実には創業して10年持ちこたえられる会社はわずか1割程度とも言われる。
経営の世界では10年続くだけでもまずは成功と言えるのだ。
創業10年を超えて活躍する企業を取材し、生き残る経営者になるための条件を探る。
(編集部 村上俊樹、小松由佳)(不定期連載)
第1回 とんかつの武蔵グループ 代表取締役会長 河合正枝
店舗数が減り続ける外食業界
現在、日本に飲食店は72万店あるという。91年には84万店を超えていたというから、この十数年で実に12万店以上が倒産や廃業などで"消えた"ことになる。この間、居酒屋や回転寿司、カフェなどの大手チェーンが店舗数を相当拡大していることを考えると、実際は12万を大きく上回る飲食店が消えているのが実情だ。
愛知県豊橋市の「とんかつの武蔵」は、そんな競争の激しい外食産業にあって、見事に勝ち残ってきた企業の一つ。すでに創業43年を迎え、グループで8店舗、年商は約7億円になっている。地方の飲食業としては小さくない規模だ。多くの飲食店が1億円の壁も超えられない中、どのような経営手法で成長を果たしてきたのだろうか。
創業者の河合正枝代表取締役会長(写真)に創業当時の経営について聞いてみると、三つのポイントが浮かび上がってきた。










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