米空軍が14日、無人飛行機「X51Aウェーブライダー」の実験を行ったところ、飛行開始から31秒後に大破した。予定では5分間の飛行でマッハ6に達する予定だった。

「ウェーブライダー」は巡航ミサイル兵器や輸送・偵察機としての運用が可能で、英BBCは「世界のどこにでも2時間以内で到達するミサイルを想像してください」と紹介している。今回が3回目の飛行実験だった。

「ウェーブライダー」は軍用だが、かつては民間用の超音速旅客機「コンコルド」(イギリスとフランスが共同開発)が、マッハ2で大西洋上を定期航行していた。同機はファーストクラスの2割増しの運賃で座席はエコノミークラス程度だったが、富裕層を中心に人気を博した。しかし、超音速で飛行する際に出るソニックブーム(衝撃波)を嫌い上空を飛行することを拒絶する国が出るなどの問題があり、2003年に全機が退役した。

現在、ソニックブームの軽減と飛行性能向上の二つを両立させるための研究がJAXA(宇宙航空研究開発機構)で行われている。また2011年6月には、フランスの欧州航空防衛大手EADSが超音速の旅客機「ZEHST」を日本と共同開発すると発表した。100人乗りで巡航速度がマッハ4。つまり、東京-パリ間を2時間半で行ける。実用化目標は2050年予定。

大川隆法・幸福の科学総裁の公開霊言『松下幸之助 日本を叱る』(幸福の科学出版)で松下霊は、2009年のJALの再建に関して次のように語っている。

「例えば、『JALはよそより十分早く着きます』と宣伝するとビジネスマンは十分でも食いつくよ」「『うちは速度をあげまっせ。うちは倍速で飛びまっせ。マッハ2で飛びまっせ。アメリカまで五時間で行きまっせ』言うて、やってごらんなさいよ。そんなもん、客がみなこっちへ来るんは分かっとる」

海外旅行というと現在は、片道だけで1日がかりの大騒ぎだ。しかし、マッハ4で2時間半で行けるとなれば経済的余裕さえあれば、東京から大阪へ行くような感覚で、ちょっとしたスケジュールの隙に本場の西洋美術品を見に行く、なんて贅沢もできる。

時間をお金で買う人たちの流動性がますます増し、その経済効果は計り知れないほど大きいに違いない。実用化の前倒しを期待したい。(居)

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