英フィナンシャル・タイムズが1日付の社説で、日本政府が10月末に実施した為替介入に関連して、為替介入という一時的な手段ではなく、日銀による大胆な量的緩和を求めた。以下ポイント。

  • 安住財務相の円高に対する回答は、根本原因に十分対応しているとは言えない。
  • 介入後に市場が通常の機能に戻れば、効果は限定的になるだろう。
  • 円の対ドル相場は来年から再来年にかけてさらに上昇し、為替問題の痛みは減らないだろう。しかし、日本銀行が国内の問題にもっと真剣に取り組むなら、為替問題のほとんどが消えてなくなるだろう。
  • 日銀がもっと積極的な量的緩和策を採り、償還期限の短い国債ではなく、10年もの国債を買い入れれば、より決定的に円の上昇圧力を和らげることができるだろう。より重要な点は、この大胆な量的緩和策が低迷している国内経済を大きく刺激するということだ。これが日本政府が取り組むべき本当の答えである。

リーマンショック後にアメリカのFRB(連邦準備制度理事会)はドルを刷りまくり、日銀は量的緩和をうたいつつ実際にはほとんど増やしていない。嘉悦大の高橋洋一教授によれば、ドルと円の量だけで単純比較をすれば、「1ドル=65円」になるという。

その意味でも、政府・日銀が円高対策をとるとすれば、FRB並みの大胆な量的緩和ということになるだろう。(織)