《ニュース》

中部電力で唯一の原発である浜岡原発(静岡県御前崎市)について、再稼働に向けた審査が事実上、振り出しに戻りつつあります。

《詳細》

中部電力は1月、浜岡原発3号機と4号機の再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査で、耐震設計の目安となる「基準地震動」が、意図的に過小評価されていた疑いがあることを明らかにしました。

本来であれば、「想定されるさまざまな種類の地震に対して、それぞれ計算方法を変えた20通りの地震動を算出し、その中で平均値に最も近いものを代表的な揺れとして選び、基準地震動を導き出す手法」が取られることになっていました。

しかし実際、「あらかじめ20通りの地震動のセットを多数つくり、都合の良い1セットを選定する」「あらかじめ都合の良い地震波を代表波として選んだ上で、この代表波が平均値に最も近くなるように残りの19組を選定する」といった手法が混ざっていた疑いがあるとされます。

つまり、地震動を想定した無数のデータのなかから、実際に参考として使うデータの選び方に、恣意性があった可能性が指摘されています。

今回の問題を受けて規制委は、中部電力などへの立ち入り検査を実施。実態や原因を究明すると同時に、これまでの審査については白紙にし、当面の間は審査を行わないとしています。

中部電力の林欣吾社長は2月2日の定例会見で、「浜岡原発の重要性、必要性は何ら変わらない」としつつ、再稼働について「スケジュールに言及する段階にはない」と述べています。審査の再開まで、数年単位でかかるとの見方もあります。

中部電力管内では、他電力に比べて原発再稼働が遅れています。2月の電気料金も平均的な家庭向けで7110円と、関西電力(6621円)や九州電力(6341円)に比べて差が生じています。製造業など多くの企業を抱える中部圏では、競争力の低下につながることも懸念されています。

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