2026年3月号記事

ベネズエラ電撃介入の本当の読み方

トランプ米大統領が次々に繰り出す中南米への一手は、中国を確実に追い込んでいる。


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ベネズエラ電撃介入の本当の読み方 ─ Part 1 ベネズエラに広がる生き地獄


トランプ氏は1月上旬、ベネズエラの独裁者マドゥロ大統領夫妻を拘束する電撃作戦を断行し、世界は騒然となった。

南米を代表する社会主義者マドゥロ氏は、中国などの兵器からなる「南米最強の防空体制」を誇り、トランプ氏に「捕まえられるものなら捕まえてみろ」と挑発していた。にもかかわらず、自慢の防空はまるで機能せず、米陸軍特殊部隊が夫妻のいる建物に突入してから、わずか5分であっけなく制圧された。

中国は赤っ恥

アメリカは米兵の死者ゼロという、映画でも出来すぎなパーフェクトゲームを見せ、ベネズエラはもとより、世界の独裁国家を震え上がらせたに違いない。

特に衝撃を受けたのが中国だろう。攻撃が起きる数時間前に、中国・習近平国家主席の特使がマドゥロ氏と会談。中国側が攻撃を察知していれば会談を中止していたはずだが、情報収集能力のなさを露呈し、世界に恥を晒した。

しかも米軍はベネズエラの電力網にサイバー攻撃を仕掛け、ブラックアウト(停電)に追い込んだ。この時、中国が建設を支援したベネズエラのインフラも麻痺し、「中国のインフラは米軍の攻撃に歯が立たない」という疑念まで持ち上がっている。

中国は、アメリカに寝首をかかれることを恐れた他の独裁国とともに、「ベネズエラ介入は国際法違反だ」と糾弾している。

ベネズエラ人は歓喜の大合唱

しかしベネズエラ人の大多数は「ようやく圧政から解放される」と狂喜乱舞し、国際法違反という指摘には「国連や国際法は何もしてくれなかった」「弾圧を経験したことがない部外者は黙ってほしい」などと反論した。反米感情が根強い中南米の世論調査を見ても、拘束を支持する声が多数派を占め、最も不支持が多かったメキシコでさえ、支持が上回った(下図)。

トランプ政権はマドゥロ拘束の大義名分として、「ベネズエラからアメリカに流入する麻薬対策の一環」と主張している。

だが同時に、北はグリーンランド、南はチリに至る「西半球の安定」を第一優先に掲げているのを見れば、「麻薬問題だけではない」と考えるのが妥当だろう(*)。

トランプ氏は何を考えているのだろうか。

(*)トランプ政権が25年に発表した国家安全保障戦略で「西半球重視」を打ち出し、国家の最重要戦略を根本から変えた。

中南米はマドゥロ拘束を支持する声が多数

支持不支持
コスタリカ87%9%
チリ78%16%
コロンビア77%10%
パナマ76%17%
ペルー74%11%
アルゼンチン61%31%
エクアドル60%36%
ウルグアイ52%33%
メキシコ43%42%
(出所)メキシコの調査会社アルティカ・リサーチが1月3~4日に実施。

※文中や注の特に断りのない『 』は、いずれも大川隆法著、幸福の科学出版刊。

 
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