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警視庁はこのほど、海外のオンラインカジノで賭博をしたとして、神奈川県在住の中学1年の少年を、常習賭博の非行事実で児童相談所に通告したと発表しました。

《詳細》

警視庁の発表によると、少年は「親に持たされたスマホ」を使用し、1月~10月までの間に、約7000回にわたり総額約700万円を賭けたとされています(3月までは、小学6年生だった)。利用したカジノサイトは身分証がなくても登録ができ、アカウントは親のメールアドレスで作成したといいます。

少年は、SNSで知り合った三重県の男子高校生を介して、約26万円相当の暗号資産に交換し、それを賭け金としていたとみられ、警視庁に対して「最初はお小遣いを使っていたが、そのうち親の財布からお金を抜き取るようになった」などと話しているといいます。

中高生がカジノに手を染める事例は他にも見つかっています。警視庁は今年2月から、オンラインカジノに関する一斉取り締まりを実施。利用者向けに仮想通貨の交換を無登録で行ったとされる男子大学生を逮捕したほか、カジノを利用していた少年を含む13~21歳の計15人を、常習賭博や単純賭博の容疑で摘発するなどしています。

近年、海外のオンラインカジノを利用する日本人が増加し、芸能人やスポーツ選手といった有名人の利用も取り沙汰され、社会問題となっています。海外でも、青少年がオンラインカジノにのめりこむ事例が相次いで報告されています。

例えば、16歳未満の子供のSNS使用を禁止する法案を可決したオーストラリアでは、「中高年によるオンライン・ギャンブル」の増加がかねてより問題視されてきました。ガーディアン・オーストラリア紙によれば、「10歳で依存症に陥り、15歳までに2000豪ドル(約20万円)失った」「ギャンブルにハマりすぎて、薬物使用や精神的な健康問題につながった」といったケースもあるといいます。

またお隣の韓国の実態は、日本以上に深刻です。韓国政府が23年4月に行った調査では、「中1・高1の88万人のうち、約3万人が『オンライン賭博中毒の危険性がある』」ことが判明。別の調査でも、「小学生~高校生の4人に1人が、直近3カ月で賭博経験があり、初めて賭博する年齢は平均で11.3歳だった」という驚愕の事実が明らかになっています。

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