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自動運転の「目」となる高精度センサー「LiDAR(ライダー)」の需要が高まる中、自動車向けライダー市場で収益トップの中国企業「Hesai(ヘサイ)」が16日、香港証券取引所のメインボードに上場して株価が急騰するなど、注目を集めています。

《詳細》

ライダーとは、レーザー光を対象物に照射し、反射されて戻ってくる時間を計測することで、物体までの距離を正確に測定する技術です。自動運転技術が進展し、アメリカや中国では運転手なしで走行する「ロボットタクシー」が運航する中、自動運転で「目」の役割をするライダーの開発が世界各地で加速しています。

特に、中国企業による開発が著しく、2024年度の自動車運転向けのライダー市場では、「ヘサイ」「ロボセンス」「ファーウェイ」の中国企業3社で76%のシェアを占めています。なかでもシェアトップのヘサイは、これまでに24社の自動車メーカーから120車種類以上の量産契約を獲得。25年度上半期で前年比276%増の納入台数を記録するなど躍進を続けています。例えばロボットタクシー分野では、世界トップ10の事業者のうち9社にライダーを提供しており、世界シェアは61%と他社を大きく引き離しています。

これに対し、米国防総省はヘサイが中国人民解放軍との繋がりがあるとして、24年8月に「ブラックリスト」に掲載するなど、安全保障上の懸念を強めています。

そうした中、ヘサイは今月16日に香港市場への上場を果たしました。トランプ政権下で強まる対中圧力で、米ナスダックでの上場廃止リスクが浮上したため、香港市場に「避難」した側面があるとも報じられています(9月17日付日本経済新聞)。

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