《ニュース》
国立環境研究所(国環研)はこのほど、「ガソリンや軽油の暫定税率の廃止(ガソリン減税)で、2030年の二酸化炭素(CO2)排出量が610万トン増加する」との試算をまとめました。
《詳細》
現在、国政では「ガソリン減税」をめぐって議論が紛糾しています。1リットル当たり約25円が課税されている「暫定税率」については、既に与野党が廃止することで合意しています。
これに対し浅尾環境大臣は、ガソリン減税をしてガソリンの使用量が増えれば、CO2排出量も増えることを念頭に、「(CO2排出量の増加は)かなりのインパクトがあり、環境への影響も踏まえた検討が必要だ」と言及。環境省は、財務省に提出した2026年度の税制改正要望で、新税も含めた代替策を講じる必要性を盛り込んでいます。
そうした中、環境省の依頼を受けた国環研が先述の試算をまとめました。暫定税率が26年度に廃止されれば、「燃料価格の下落で、車の利用が増えるなど燃料需要が増加する」「燃料購入への支出が減少し、それ以外の製品・サービスの支出や生産量が増え、全体の活動量が増加する」として、CO2排出量が増えると指摘しています。
政府は30年度のCO2排出量を、13年度比で46%削減するという目標を設定しています。削減目標のうち、自動車などを含むエネルギー部門は6.7億トンを見込んでおり、今回試算された増加分610万トンは、その1%に相当します。環境省は、削減目標が達成できない恐れがあるとみて、危機感を強めているとのことです。
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